第22章 唯一望んだもの(❤︎)
「ま、全ては貴方が引き起こしたこと」
「………っ!」
「せいぜい、愚かな自分自身を呪うのですね。ふふ。」
◇◆◇
【自室】
「甘さ控えめの抹茶クッキー。シュウさん…貰ってくれるといいなぁ」
綺麗にラッピングされた紙包みの中には一口サイズの抹茶味のクッキーが入っている。それをシュウさんにプレゼントしようかと思っているのだが…突き返される可能性大だ。
「でも一生懸命作ったんだもん!大丈夫!」
コンコンッ
「…こんな時間に、誰だろう…?」
ドアを叩く音がし、机の上に包みを置いてドアに歩み寄る。
「…はい?」
「…ボクだよ。」
「(ライトくん…?)」
この間の屋上の一件以来、ライトくんと顔を合わせるのはなんだか気まずい。
「早くここを開けてよ。まったく冷たいなぁ、お花ちゃんは〜」
けれどライトくんはいつもどおりだ。私と違い、まるで気にしてないみたいだった。
「今開けるね…」
ガチャッとドアを開けた途端…
「!?」
ガシッと身体を掴まれ、後ろ手で鍵を閉めると、ライトくんはドンッと私を壁に押さえつけた。
「ら、ライトくん!?いきなり何するの!?」
「お花ちゃん、本当はキミ…ボクを騙して、面白がってるんじゃないの?」
「な、何のこと…?何言ってるのか全然わからないよ…!」
「本当は効いてなんかいないんだろ…?」
声が低くなったライトくんにビクッと体を跳ねさせる。
「まったく。キミはいつもそうやって、自分から痛い目にあいたがるんだから。ほーんと、キミってほしがりやさんだよねぇ…」
「(ライトくん、口調はいつもどおりだけど…目が笑ってない。怖い…!)」
「元に戻らないって、どういうことだよ。お前はボクのモノだろ?」
「きゃあっ!や、やだ…!」
イラついたライトくんが私の胸元の服をビリッと破く。
「全く。凝ったことしてくれるよね」
「ラ、ライトくん…やめて…!」
じわりと涙が浮かぶ。
「くくっ!嫌がるキミのその悲鳴、ほんと堪らない…!泣き顔も可愛いよ、お花ちゃん」
「ひっ……!」
ぺろっと涙を舐められ、恐怖で声が上擦る。
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