第22章 唯一望んだもの(❤︎)
「一体何がおかしいのですか…?」
「いいや…これはこれで面白そうじゃないかと思ってさ。要するに…あの子が『お花ちゃん』ならそれでいいんだから…んふっ…」
◇◆◇
【屋上】
「あっ…見かけないと思ったらここに居たんだ、シュウさん…」
放課後、シュウさんの姿を探しに屋上までやって来ると彼はそこにいて、寝ている様子だった。
「(どうしてだろう…最近、シュウさんを見るとやけに胸がドキドキして…)」
それじゃあまるでストーカーみたいだ。でも何故かシュウさんのことを想うと恋しくなって気づけばその姿を探している。
「(なんだか頭の中に霞がかったような…変な感じがする。)」
「……?なんだ、アンタか。そこでなにをコソコソしてるんだ」
「!!べ、別にコソコソなんて…」
壁の陰からそっと見てるんだから確実にコソコソしている。私…やっぱりなんか変だ!
「はあ…一体何なんだ…。どうでもいいけど、邪魔するんならどっか行ってくれる?うざい。」
「ご、ごめんなさい!」
シュウさんに怒られ、私は慌ててその場を立ち去った。
「んふ。いいね…やっぱりキミはこうでなきゃ。ねえ、お花ちゃん?」
その様子をライトは満足そうに見ていた。
◇◆◇
【屋上】
「ライトくん。屋上なんかに連れてきて、なにするの?もう授業も終わったし帰ろうよ」
「なにって…そんなの決まってるでしょ?んふ。」
ドンッ
「やっ……!」
「血を吸うんだよ。……んっ……んんっ……っ!」
身体を壁に押さえつけるとライトくんは首にキバを突き立てる。
「ライトくん!やめて!!こんなところで!離してよ…!」
「へえ…誰もいないんだからいいじゃない…んっ…どうしてダメなのさ?」
「(屋上なんて!シュウさんが来るかもしれないのに!)」
おかしい。本当にどうしてシュウさんのことばかり気になるんだろう。
「だって、帰らないと…」
「そんなこと言ってぇ…気持ちよくなってるんじゃない?」
「っ……誰か来たらどうするの!」
「誰かって?…例えば…シュウとか?」
「えっ……?」
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