第21章 不確かな繋がり
「そういうわけには…いかないよ」
「んだよ、操でも立ててんのかあ?クックック。だとすればアイツには意味ない行為だぜ?アイツはな、女がヒドくされればされるほどコウフンする真性の変態だぜえ?」
「それは前から知ってるよ…」
「本当は興味あるんだろ?アイツしか知らないなんてちょっと損してるって思わねえ?」
「別に」
「…相変わらず生意気な態度だぜ。まぁいいや。他のヤツらのキバはとんな感じなのか…くっくっく、そういうの、味わいたくなんのが人間だろう?」
「へぇ、抜け駆けとはいい度胸じゃないの、アヤトくん」
「──お!?早くねえ?」
「んふ。この子はね、匂いがちょっと特殊だからさ…すぐに分かっちゃうんだよね」
「ライトもか。やっぱオマエの匂い…昔どこかで…」
アヤトくんがすんすんと鼻をならす。
「(大丈夫…天使の匂いを消す匂い袋は身に放さず持ち歩いてるし、そう簡単に正体は…)」
「ああ、分かったぜ。オマエの妙な血の匂いの正体」
「え……?」
ドクンッと心臓が嫌な音を立てる。
「オマエ、天使だろ」
「!!」
「んふ…やっぱり、アヤトくんも気づいてたんだね。そう…この子の匂い、ずっと昔に飲んだことがある。天使の血の匂いだ」
「………………」
「ククッ、どうしたよ地味子?顔が真っ青だぜ」
「(何で…香りの効果が効いてない、の…?)」
正体を見破られた私は顔を真っ青にさせ、恐怖に怯えた目で二人を見つめる。
「わ…私が天使?何…言ってるの?」
「んふ。相変わらず嘘が下手だね。声、ビックリするくらい、震えてるよ」
「天使か…マジでいたんだな。初めて見た。ちゃんと人の形してンだな」
「(レイジさんと同じこと言ってる…)」
「オレらみたいな種族に見つかんねぇように、何かで匂い消してるんだろうけど…残念だったな、結局正体バレて追い詰められちまってさ」
「(どうしよう…このままじゃ…)」
「ていうかさ、アヤトくん、この子にナニする気だったんだよ。ことと次第によっては…嬲り殺しにするよ?」
「はん。とかなんとか言って、地味子に特別に構う気持ちなんてないクセに」
「──そんなこと、いつ言った?」
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