第21章 不確かな繋がり
「!?」
「お花ちゃんにはもう何度も伝えてるけど──この子はボクのものだ。特に、兄弟たちに下げ渡す気はないね」
「はぁーん…なるほどなあ。つまりはオマエにも欲が出てきたってわけだな?」
「んふ……」
「(一瞬、嬉しかったのに…何故だろう。ライトくんが私を見てくれてない気がする。)」
「──アヤトくん」
「あ?なんだ」
「ね。お花ちゃんで、少し遊んでみる?」
「あぁ?さっきヤダって言ったクセに、どういう風の吹き回しだ」
「や、やだ…ライトくんやめ…」
「お花ちゃんは黙ってて。気が変わったんだよ」
「っ…………」
「もしボクが嫉妬で殺しちゃってもアヤトなら構わないだろ?」
「バカ言うな。でもま…面白そうだな?天使の血にも興味あるし。コイツで遊ぶのも久々だし…いい暇つぶしになりそうだ」
「(二人が天使の血に執着したら…今度こそ吸い殺される…!)」
外れない手錠を外そうと必死に動かす。
「んふ。お花ちゃん、ボクの命令だよ?」
「ライトくんの命令でもイヤ…!」
心の底から溢れ出す恐怖に涙を浮かべる。
「お願いだからやめてよ…!」
「くあー、イライラする。余計に非道くしてやりたくなるなあ?」
「んふ。お花ちゃん、もうちょっと哀れを誘うように言わないとだめだよ」
「やだ…やめて…」
「──大人しくしろっての。もう逃げられねえのは分かるだろ?」
「いやっ!やだ…!!」
「オマエ、随分ライトに入れあげてんだなあ。ライトも上手いことやりやがって」
「お、お願い…ふたりとも…やめて…」
「お花ちゃん、今からナニされるか…よーく、見ておくんだよ?」
アヤトくんが私の首に顔を埋める。
「行くぞ…んんっ…」
「あっ…!!い、やっ!!」
じゅるっと音を立てて吸われ、アヤトくんのキバが皮膚を突き破る。
「んふ…ふふ、はぁ…ずぶりとアヤトのキバが突き刺さってる…お花ちゃんの血が…吸われてる」
「や、めてよ、アヤトくん…っ!」
「ん、はぁ…んっ…やっぱうめぇな。昔一度だけ飲んだことがあるけど、ここまでじゃなかったぜ」
「はな、して…っ」
.