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終わらない愛があるとしたら【ドS吸血鬼】

第20章 壊れ始める恐怖



『(──また…この部屋。前に見た夢の中と同じでピアノが置いてある。そして…)』



『あら、また来たのね』



『…貴女が呼んだんじゃない』



『何でアタシが憎きあの女に似たアンタをわざわざ呼び出さなきゃいけないのよ』



彼女は煩わしそうに溜息を吐いた。



『貴女に会えたら聞きたいことがあったの』



『何かしら?』



『名前を教えて…』



『…いいわ。アタシはコーデリア。魔王ブライの娘にしてカールハインツの妻。』



『コーデリア…』



『そういうアンタは確か…メグル…だったかしらね』



『!私の名前、知ってたの?』



『ええ。あの子が呼んでいたもの』



『あの子……?』



『小森ユイよ』



『!』



どうして彼女がユイちゃんを知ってるの?



『貴女とユイちゃんは…どういう関係なの』



『アンタは知らないのよね。いい?アタシは小森ユイでもあるのよ』



『……………』



『信じてないわね』



『当たり前だよ。貴女と彼女とでは何もかもちがうじゃない』



『“何もかも”じゃないわ。あの子はアタシの入れ物なのよ』



『入れ物?』



『アタシはずっと、あの子の覚醒を待っていたの。あの子の身体をアタシのものとする日が来るのをね』



『!どういう意味?』



『そうね、もう少し分かりやすく言いましょう。アタシは小森ユイの心臓。』



『え?』



『もっとキチンと言うなら、アタシは殺されて、心臓だけの状態になってあの子の身体に埋め込まれたの。あの子が生まれたばかりの頃にね』



彼女の言葉で気付いたことがある。



『(そうか…あれはそういう意味だったんだ。)』



《貴女はこうして生きてるよね?》



《えぇ、"生きてる"わよ》



『(彼女は殺されたけどユイちゃんの心臓に移植されたことで生き永らえた。)』



だからユイちゃんと会った時、妙な居心地の悪さを覚えたんだ。彼女の心臓がコーデリアのものだったから。



『あの子の身体に潜み、チャンスを窺い続けてようやくここまで来たわ──今の所、全てはアタシの思い通り』



『…彼女の身体を利用して、一体何をするつもり?』



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