第20章 壊れ始める恐怖
「本当にレイジさんとは何もないよ」
「そう?私に鞭替えしろとかなんとか言われなかった?」
「鞭替えしたら、何かマズイことでもあるの」
「んふ。あるよ。何度も言わせないでよ。お花ちゃんはボクのものだ。ボク以外の男に触れさせるくらいなら…ああ、でも、それもいいかもね」
「え?」
「そういう快感も、悪くないかもしれない。良く考えたら…」
『コーデリア…愛しています』
『ウフフ。リヒター…アタシもよ?』
『っ………!?』
「あの時もボクは、倒錯した気持ちに囚われていた。だから、あの光景を何度も思い出す。そして思い出しながら…」
「どういう、意味?」
「んふ。いや、なんでもないよ。それより、レイジとイチャイチャした罰をどうしようかね?」
「イチャイチャって…!」
「仲良くお茶を飲むなんて、イチャイチャ以外の何者でもないでしょ?」
「だから本当にお茶を…」
「今後、二度とそういうことをしたくならないように、きっちりと躾ておかないとね」
「(何をされるの…?)」
「んふ、決めた…これで、キミの身体をキツく戒めてお仕置きしようかな」
「縄…!?どこからそんなもの…!」
「さあ、大人しくして。今日のボクはいつもみたいに優しくないよ」
「っ………」
「逃がさないよっ」
「きゃ…っ!?」
怖くなって後ずさると、ライトくんが腕を引っ張り、私をベッドに押し倒す。
「や、やめて……っ」
「ほら、早く。今からこの縄でキミの身体を縛り上げていくよ」
興奮して早口になるライトくんは私の両手を縄で拘束しようとする。
「ラ、ライトくん!やめてよ…っ!」
「そう、そうだよ。ボクに全て見せて。アイツにおかしなことされてないか…検査してあげる」
「つ、強く縛らないで…」
「痛い?でもこれはお仕置きからだね、お花ちゃんが二度とボク以外の男に尻尾振らないように身体に言い聞かせないと」
「(本気で嫌なら蹴り飛ばすなりすればいいのに…それをしないのはもう…)」
自分の中で既に答えは出ていた───。
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