第20章 壊れ始める恐怖
「こ、なところ…で…」
「こんなところだから興奮しちゃった?吐息が熱いよ…胸を優しく揉まれて、感じちゃった?」
「ち、違う……んっ。」
「ああ…声まで可愛い。お花ちゃん、もっと感じて…その顔で、声で、キミ自身で…ボクを誘ってよ。んっ……チュッ」
「ひゃっ!?」
「んーふふっ…いきなり耳にキスされたから驚いた?涙ぐんだ顔も凄くソソるよ…」
「も、もう…手を退けて…っ」
「やーだ」
「んんっ……あ、う…んん…」
「目がとろんとしてきた。ホント…えっちなことが大好きだね、お花ちゃんは。」
「はぁ……あっ……ん……」
「あぁ、あの人も…さぞかし墓の中で怒り狂ってるだろうな。それを思うと…すごくキブンがいいよ。いつかのお返しだ」
「(また流される。ダメだって分かってるのに…ライトくんのキスが気持ちいい。胸も…いじられて…気持ちいい。あー…だめ。もっと…気持ちよくして欲しい…)」
「!なぁに、服なんか掴んじゃって。」
「……………」
「色っぽい視線もゾクゾクするよ。でも…ボクは素直になったお花ちゃんが好きだな。」
「…あ、う…その…」
恥ずかしい。こんなことライトくんに頼むの、恥ずかしくて…泣きそうになる。
「ライトくん…もっと…」
「おねだりするキミも可愛いね。ん、分かったよ。今夜は好きなだけここで踊り狂おう。見てるのは、浅ましい亡者たちだけなんだから…さ」
深い口付けと共にライトくんは私の気持ちいいところを攻め始める。
「ふっ!?うぅっ…!」
「はっ……んっ……チュッ……」
「あっん……ふぁ……んんっ……」
「好きだよ、お花ちゃん。」
「…それは、信じない、よ…」
「お花ちゃんをボクだけのモノにするには、どうしたらいいかな?」
「…それ、本人に聞くの?」
「だってこれだけたくさん気持ちいいことしても、好きだと囁いても、全然本気にしてくれないだろ?」
「(ライトくんの頭の隅に“あの人”がいる限りは…本気にしないよ。)」
「でもキミが欲しくて欲しくて堪らないから、頑張って他の堕とし方を考えることにするよ」
そう言って笑んだライトくんは、私にキスをし、“愛してる”と耳元で囁いた。
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