第19章 三つ子の母

「そ、そんなこと急に…！」



「さあ、ボクの身体に触れて…あちこち触ってみてよ」



「さ、触るって言われても…」



「ほら、こことか…触ってよ」



手を掴まれて誘導された場所は、鎖骨辺りだった。



「えっ……う……」



服の中に手を忍ばせ、肌に触れる。驚いて引っ込めようとするも、重ねられたライトくんの手がそれを許さない。



「ラ、ライトくん…！」



「うん…ああ…いいね。そのぎこちなさが、なかなかイイ感じだよ、お花ちゃん…。触れられると気持ちいい。コレがキミを愛してるって証拠…」



「(触れられた場所が熱い…)」



「理屈じゃないんだよ。大事なのは本能や感覚…愛は、それに伴う後付けの理由…。それ以外の何者でもないんだ」



「(ライトくんの言葉は信じないけど…まぁ彼が楽しそうだからいいか…)」



「んふ…イイよ…すごくイイ。お花ちゃんにも触れてあげる。一緒に気持ちよくなろう」



「えっ……」



「んふ。お花ちゃんも…どうやらボクを“愛してる”みたいだね」



「愛してない…」



「んふ…顔が紅いよ？さっきも言ったでしょ。こういった反応が、何よりの愛の証しなんだ…」



「(甘い雰囲気に流される…)」



「──はぁ……愛してるよ」



ライトくんの甘い声で身体が痺れる。



「ライトくん…キス、して…」



「やっとお花ちゃんからボクを求めてくれたね。いいよ。いくらでも…キミが望むだけ…してあげる…」



嬉しそうにそう言って、ライトくんは私の唇に自分の唇を重ねる。



「(もう何も考えられない。触れるたびに欲望が大きくなっていく…本当に、ライトくんのモノになっていく。)」



「こうして首を撫でられるのは気持ちいい？」



「あっ……んん……」



「んふ…あとはどこを触ってほしい？その小さい口で言ってみてよ」



「……耳」



「耳だけ？」



「……………」



「もうひとつ、気持ちいい場所があるよね？ちゃんと言えたら触ってあげる」



「っ……胸、も触って…」



「んふ、よくできました」



「(ライトくんに触れられるだけで…こんなに嬉しいなんて。)」



ライトくんはチュッと唇にキスをした。



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