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終わらない愛があるとしたら【ドS吸血鬼】

第19章 三つ子の母



【自室】


「っ………!」



夢から目を覚ました私は、荒い呼吸を繰り返す。今の夢は一体何だったのだろうか。あの人はライトくん達の母親だった。そして私が呪われた事も、母様を殺した犯人も知っていた。



「心臓が…壊れ始めてる。ライトくんの血を取り込んで、繋がりを得てしまったからだ…」



上体を起こした私は全身に汗をかいていた。手汗がびっしょりで気持ちが悪い。きっとあの悪夢を見たせいだ。



「はぁ…お風呂、入って来ようかな」



バスタオルを持って部屋を出た私は、沈んだ気持ちのまま、バスルームへと向かう。



「!明かりがついてる…」



少し開いたドアから明かりが漏れていた。誰かが入浴中なんだと思い、引き返そうとした時だった。



「───愛してるよ、ユイ」



「っ………?」



とても優しい声だった。その声の持ち主を私は知っている。思わず立ち止まり、ダメだと分かっていても、自分の意思に逆らえず、ドアの隙間からバスルームを覗いた。



「(ライトくんとユイちゃん…?)」



大方、入浴中のユイちゃんのところにライトくんが無理やり押し入ったのだろう。彼らはそういうのを平気でしてくる。



「(…ライトくんが優しくユイちゃんを抱きしめてる。)」



ズキッ



「(これは…いつもの胸の痛みじゃない?)」



ズキズキと痛む胸を押さえ、顔をしかめる。ライトくんがユイちゃんを抱きしめてる姿を見ただけで…悲しい気持ちになる。



「こっち向いてよ、ユイ。んっ……」



「っ………」



やめて…そんな優しい声で彼女の名前を呼ばないで。私だって名前で呼ばれたことないのに。どうしてキスしてるの。私とした唇で…ユイちゃんにもキスをして。いい雰囲気になって…これじゃあまるで…



「(二人が恋人同士みたいじゃない──。)」



ドアから離れ、壁に寄り掛かり、バスタオルを両手に抱えながら、ギュッと目を瞑る。



「っ……はぁ。ビッチちゃんの唇、甘いな」



「っ!」



聞きたくなくても聞こえてしまうライトくんの興奮した甘い声。その場から動けなくなった私は、ただ黙って目を瞑ってるしかない。



「美味しそうな血が…ああ、ボクが、舐めてあげるよ。んんっ」



「(っ、嫌、嫌、嫌……ッ!!)」



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