第18章 お似合いのカップル
「うわぁ〜!」
ショーケースには色とりどりのマカロンが綺麗に並べられている。ここはライトくんおすすめのケーキ屋らしい。
「宝石箱みたい!マカロンってこんなにたくさん種類があるんだね!」
興奮気味に言うと店員のお姉さんがニコニコと私を見ていることに気づいた。
「す、すみません…はしゃいでしまって…」
「ふふ、可愛らしい彼女さんですね」
「え!?」
何か誤解してる!?
「ち、違います!彼女じゃ…」
「ボクの可愛らしい恋人は、一体どんなマカロンを選ぶのかなあ」
「ライトくん!?」
「ねーお姉さん、ボクたちカップルに見える?」
「ええ、とてもお似合いです!でも…そう聞くってことはカップルじゃないんですか?」
恥ずかしさで悶えそうな私の横でライトくんは悪戯めいた表情を浮かべ、お姉さんは不思議そうな顔で私とライトくんと見ている。
「実は今、カップル割引きっていうキャンペーンをやってて…恋人である証拠を見せてくれたら、ショーケースの中のスイーツが全て半額になるんですけど…」
「半額!?」
「ボクたち、恋人同士でーす。」
「!?」
「やっぱり!お似合いですもんね!」
「ちょっとライトくん!?」
嬉しそうな顔しないでお姉さん!私たちカップルじゃないんです!というかライトくん、絶対面白がっててやってる…!
「いいじゃない。それとも照れ屋なボクの恋人は、マカロンいらないのかなー?」
「マカロンは欲しい…」
「では、恋人である証拠を見せて下さい。あ、手を繋ぐとか抱きしめるとかはダメですよ?ちゃんとキスで証明して下さいね」
「き、キス!?」
「なーんだ。それなら楽勝だね、お花ちゃん♪」
「本気なの!?」
「もちろん」
「ちなみにキスをする場所はどこでも構いませんよ」
「えぇ……」
お姉さん…ニコニコしてる。
「じゃあ、こっち向いて。最高に気持ちよくしてあげる」
「っ、誤解を招く言い方しないで…!」
こんな人前で…しかもキスで恋人である証を証明しないといけないなんて。どんな羞恥プレイなの…。
.