第18章 お似合いのカップル
「んふ、認めたくないって顔だ」
「どうすれば治るの…?」
「治す必要ないでしょ。だってお花ちゃんはボクが大好きなんだから。嫉妬のし過ぎで狂っちゃえばいい」
「(天使が醜い感情を持つなんて…)」
「狂った愛でも、ボクは構わないよ」
「…そんなの、私が欲しい愛じゃない」
「!」
「狂った愛なんて───いらない。」
お互いを想い合ってない
ニセモノの愛なんて
私が知りたい愛のカタチじゃない
「ならキミは、どんな愛が欲しいの?」
「それは…」
「それをボクがキミにあげるよ。キミが望む愛のカタチを、ボクがキミに与えてあげる」
「…無理だよ。今のライトくんから与えられても、その愛はいらない。私が欲しい愛を…ライトくんはきっとくれないって分かってるから」
「……………」
ライトくんがあの人を想っている限り、私は彼にその愛を求めない。私が欲しいのは、絵本に出てくる女の子と男の子のような、素敵な愛だ。お互いを大切に想い、何があっても離れず、幸せになるために生きることを決めた、そんな…愛のカタチなのだ。
「ならキミは…ボク以外のヤツからだったら、その愛をもらうの?」
「え?」
「ボクはこんなにもキミが好きなのにさ」
「想い人がいるのにも関わらず、私を好きだと言う浮気者は嫌いです。」
「んふっ…意地悪だなぁ、お花ちゃんは」
声は切なげだったけどライトくんは笑った。
「そのドレス着てるお花ちゃん、ホンモノの花嫁さんみたいで可愛いね。もちろん花婿はボクだよ」
「ライトくんの花嫁になったつもりない」
「じゃあいつかボクの花嫁になってね」
「ならないよ…」
「でもボク、お花ちゃん以外の女の子と結婚するつもりないよ?」
「!」
「んふっ、顔真っ赤だよ。ホントかーわいいんだから〜♥」
「揶揄わないでって言ってるでしょ…!」
「お花ちゃんの恥ずかしい顔はボクの生きる活力でもあるからね。これからもボクを飽きさせないようにいろんな顔を見せてね」
「お断りだよ!」
「あーあ、これでベールもあれば完璧な花嫁さんなのに。結婚式は出来そうにないや」
ライトくんは本気で残念そうな顔を浮かべていた。
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