第18章 お似合いのカップル

【繁華街】


「…騙された」



「んー？何が？」



「ライトくんヒドイ…」



“いいモノあげるから両手出して”と言われ、てっきりお菓子をくれるのかと思いきや、ライトくんがくれたのは手錠だった。そしてそのまま外に連れ出されている。



「ボクはお菓子をあげるなんて一言も言ってないよ。勝手に勘違いしたのはお花ちゃんでしょ」



「うぅ……」



「それで、どう？」



「どう……って言われても」



「やっぱり違和感ある？んふ。そりゃあそうだよねえ…普通の人だったらこんな状況味わえないもんね」



「…もういい加減外して」



「え〜やだよ。面白いじゃない？おまわりさんゴッコって感じで」



「普通の人は手錠されたまま、街を歩くなんてしないよっ……！」



「しー、あんまり大きい声出すと周りの人にバレちゃうよ？」



「もうバレてるんじゃ…」



「んふ。かわいいね、お花ちゃん。キミが素直に騙されてくれて嬉しいよ」



「悔しい…」



むすっとして、ライトくんから顔を背ける。



「しかもこんなの無理やり付けて…」



「そんなことないよ？ボクはこう見えて紳士だからねえ」



「紳士な人は無理やり手錠を付けたりしません」



「そんな恨めしそうな顔しないでよ。こんなこと受け入れてるのは、紛れもなくキミ自身でしょ？」



「痛ッ……引っ張らないで…！」



ぐいっと鎖で引っ張られ、手錠が皮膚に食い込み、痛みで顔を歪める。



「ほら、ちゃんと前見て歩かないとみんなが変に思うよ？」



「手錠で繋がれて…鎖で引っ張られてる時点で、すでにおかしいよっ…」



「んふ。そうなの？ボクらは表面上、至って普通のカップルだよ…あ、おまわりさんと犯罪者、か」



「カップルじゃない…」



「えー？お互いに想い合ってるんだかられっきとしたカップルでしょ？」



「…ほんっと自意識過剰！そもそもライトくんのことなんか好きじゃないし」



「まだ認めないんだ。さっさとボクが好きだって言えばいいのに。ま、お花ちゃんは素直じゃないからそう簡単に本音は言わないか」



「っ…………」



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