第17章 ハジメテの痛み

「ほとんど肉が無い、皮膚の薄いところだからね。牙を立てただけですっごい痛いんじゃないかな…ふふ」



「…………っ！」



サッと顔が青ざめる。



「皮膚が薄くて、より脳に近いところ…激しい痛みと共に、最高の快楽が待ち受けてるよ」



「やだ…やめて…」



後ろに回り込んだライトくんの牙が耳のうしろの窪みに当たる。



「んんっ……！」



「いっ、痛、い…いやぁっ!!」



「しー。五月蝿くするとホントに耳たぶ噛み切っちゃうよ？んんっ……んっ……」



「……く、ぅ……はぁっ。」



「んんっ…んっ…んっ」



「ううっ……!!」



すごい、痛い…！



「ぷはっ…んふ、身体が熱いねお花ちゃん。興奮してるの？」



「(そんなわけないでしょ…！)」



「ねえ、いつもより感じるだろ？ボクのこと」



「もう……っ……やめて……」



「んふ…や〜だよ。アイツが来たせいで予定が狂っちゃったんだ。おそらくアイツは花嫁になにがしかの用がある。考えてみれば、前も、その前もそうだった」



「(花嫁……)」



「なぜそんなことをしているのかは分からない。アイツが花嫁を覚醒させたところで何の意味も持たないというのに…」



「意味…分からないこと、言わないで……っ！」



「ねぇキミも花嫁候補のひとりなのかな。クロスワードの答えも"呪われた花嫁"だし」



「だ、から…パズルの答えと…一緒に、しないで…っ」



「まぁいっか。それより、アイツにちょっかい出されちゃう前に、キミにはたっぷりボクを受け入れてもらわないと。ボクじゃないと満足できなくなるように…ね？」



「(誰か…)」



「ボクも興奮してきちゃった。もっと気持ちいいことしてあげる──ね？」



ドサッとベッドに押し倒される。



「何、するの…？」



「気持ちいいことだよ。キミが泣いて喜んじゃうような…気持ちいいこと…」



ライトくんが服に手を掛けたのを見て、嫌な予感が脳裏をよぎった。



「やだ…やだ…！」



「こーら。ダメだよ。動いちゃ。それとも…痛くされたいの？」



「っ…………」



「ふっ…さあ、始まりの鐘が鳴ってるよ」



「ら、ライトくん…や、めて…」



目から涙が溢れる。



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