第16章 呪われた花嫁

「んふ。そうだよ。でもまあ、ボクにはもう最後の答えは分かってるからさ」



「…クロスワードパズル、やってるんだよね？」



「ナニを想像したのかなあ〜？お花ちゃんってば…んふふふふ。──エッチだね」



「ち、ちがっ！だって…！」



「それとも…エッチな本か何かだと思ってた？お花ちゃんに似た女の子を見つけたから、それでボクがヌいてるんだろうとか？」



「えっ、や…やめてよ！」



「真っ赤になっちゃって〜」



「ライトくん…！」



「そんなに怒らないでよ。紙より本物の方がイイに決まってるじゃない。」



「な、何を言って…？」



「何って…紙のお花ちゃんと本物のお花ちゃん、どっちのキミでヌくかって話でしょ？」



「っ〜〜〜！！」



「お花ちゃんってば、知ってたクセに。すぐカマトトぶるんだから」



「も、もう…！そ…そういうことを平気で言わな、っ、言わないで！」



「キミから聞いてきたのに」



「と、とにかく！下でレイジさんが呼んでる！晩餐だよ！」



「んふ。いいでしょ、別にほっといても」



「でも……」



「そもそも、ボクらが人間の食事の真似事をするのってのも、ヘンだよ」



「それは、そう思うけど…」



「でも、それをなぜか頑なに実行しようとする。なぜか分かる？」



「なぜ…なの？」



「怖いのさ。アイツが」



「アイツ…？」



「必ず兄弟揃って食卓を囲むべし。そう取り決めた暴君がいるのさ」



「暴君…？って…だれ？」



「誰だろうねえ？」



「……………」



「ま、そんなことはどうでもいい。アイツらは暴君に逆らうのが恐いんだろうけど、ボクには関係ない」



「(いいの、かな…？)」



「今は愛のクロスワードパズル、ふたりで楽しもうよ…さて…次のマスを埋めるよ…」



「(話、逸らされた…暴君って、一体だれのことを言ってるんだろう。)」



隣に寝そべったライトくんがクロスワードパズルを開き、私は俯せになって、それを見ることにした。



「さて…ここの単語はなあに？」



「っ……？私に聞いてるの？」



「そうだよ。一緒にやろうって言ったじゃない」



「ライトくんは分かってるの？」



「分かるけど…教えたらつまらないからねえ」



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