第16章 呪われた花嫁
「(分かってるのに…私に聞く意味とは?)」
「残ってる部分をお花ちゃんにやってもらおうかなって思ったんだ。本当に分からない?」
「残念ながら」
「あっそ。それじゃあ…お仕置きだね」
「な、何でそういうことにな……っあ!!」
いきなり手首を掴まれる。
「んんっ……っ……」
「…いきなり、非道い…!」
「んふっ…はぁ…ああ、今日もお花ちゃんの血は甘いよ…もっと頂戴」
「いっ……!!」
深くまでキバを突き立てられ、痛みで顔を歪めた。
「あぁ…苦痛に顔を歪めるキミの顔…最高だよ…っ!んんっ……」
「一問しかやってないのに、お仕置きなんて!」
「んふ。どうせ…お花ちゃんには答えられない問題ばかりさ…ふぅ、んっ…ご馳走様。いい晩餐の代わりになったよ…はぁ…お腹が満たされた」
「……………」
「何、どうかしたの?傷口が痛む?それとも…胸が痛むのかな?んふ。」
「傷口が痛いのは当たり前でしょっ」
でも、なぜか…胸も痛い…気がする
「ね。このクロスワードパズルの最後の答え、教えてあげようか?」
「……え?」
「答えはね…“ノロワレタハナヨメ”だよ」
「っ…ノロワレタ…ハナヨメ…?」
「キミはどうして…呪われてしまったんだろうね?」
クロスワードパズルの答えを知って、私は驚きと同時に恐怖を抱いた。
「パ、パズルの答えと…私を一緒にしないで!」
ベッドから下りて、ライトくんの部屋を走って出て行った。
「あーあ。行っちゃった…あんなに怯えて出て行かなくてもいいのに…」
ライトはメグルが出て行ったドアを見つめる。
「お花ちゃん、きっとキミはただの人間ではないんだろうね。そして、それを隠してる。ねぇキミは一体、何者なんだろうね」
ライトは意味深に笑う。
「まぁ、キミの正体がなんであれ…ボクがキミを手に入れることは変わりない。キミがボクを好きじゃないって言うなら…キミは嘘つきだ。」
「──安い愛でキミが堕ちてくれるなら…ボクは何度だって、囁いてあげる。それが…ボクにできる、キミを繋ぎ止めておくための…たったひとつの"愛"だから」
ライトはどこか切なげに笑った…。
next…