第16章 呪われた花嫁
「ん…すずしい…」
「服を脱がせてるからね。んふ。ああ、胸元にも…真珠のような汗が浮いてる…っ…」
じゅるるっと肌を吸い付くように舐め取られ、それこそ気持ちよくて身を捩らせる。
「ひぁ!くすぐった…」
「チュッ…でも、気持ちいいでしょ?んー、ふふ、もっと脱いじゃおう」
「だ……め……」
「恥ずかしくないよ?さあ、もっと脱いで、ボクにあられもないキミの姿を見せて」
「えっ…う、んん…でも…」
「素直になってくれたら、お花ちゃんのイイところ触って、気持ちよくしてあげるのになー?」
「きもち、いい…ところ?」
「そう。ボクの手で、舌で、お花ちゃんの気持ちいいところをたーっくさん、触ってあげる。ね?」
「あっ……」
鎖骨を手の甲で滑らせるように撫でられ、甘い声が漏れる。
「ほら…気持ちいい。あーあ、目まで潤ませちゃって…撫でただけで感じるなんて、はしたない子だなあ」
「(うー…撫でられるところがくすぐったくて、きもちいい…)」
「自分でも、ビックリするだろ?」
「っ………?」
「でも、それがお花ちゃんの本性だよ…」
「ち、がう…」
「違わない。こうして、ボクに身体を舐められて、悦んでるキミや、ボクの言葉のひとつひとつに身体を震わせて悶えるキミも。みぃんな、キミだよ。」
「ま、どわせないで…!」
「惑わせてなんていない。これは揺るぎない事実なんだよ。んふ。」
「(ダメ…認めたら最後…堕ちていってしまう。ダメ…なのに…)」
「さあ、もっと気持ちよくなろう。…一緒に、地獄に堕ちようよ。大丈夫…好きなだけしてあげるからさ」
「っ…………」
いやだ 堕ちたくない
「(ダメ……っ!!)」
するとブレーキの踏む音が聞こえ、それが学校に到着したことを知らせた。
「チッ…タイミング悪いなあ」
「あ…わ、私ってば…なんてこと…。これ、さっきのあの飲み物のせい?」
「んふ。あの飲み物のせいだけど、現れたキミの姿は紛れもなくキミ自身のものだから、安心してね?」
「あ、安心って…!!」
「まあいいよ。こんな場所でわざわざしなくたってね。もっとゆっくり時間をかけて愛してあげるから」
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