第15章 生きる意味
「んふ、とりあえずキミを素直にさせる方法を試してみるしかないか。──こうやって」
「っ………!?」
肩口にキバが当たる。
「や、めて…っ!」
「っ…んんっ…!!」
「っ………!?」
身体から力が抜けいく…
「だめ…っ!」
「そんなこと…言って…んんっ、気持ち良くなってきてるクセに」
「やめてよライトくん…っ」
「んっ…はぁ…ボクも舌先が痺れてきた…もっとボクといいことしようよ」
教会でこんなこと…!
「こんなところでこんな姿…キミに天罰が与えられるかもねえ。くっくっくっく…」
涙が溢れ、ライトくんを見つめる。
「ぞくぞくするだろ?くくく。そういうもんだよね。いけないことをするカイカン。───特に、キミは強そうだ」
「(そんなことないのに。声が、出ない…本当にヴァンパイアに感化されてしまったのだろうか…。)」
「んっ…はぁ、もっと頂戴。キミの愛の証、このボクが吸い尽くしてみせるよ」
「(頭がふわふわする…)」
──このままだと…
「(私は、堕ちていく…。)」
◇◆◇
【ダンスホール】
「──これで、文句はありませんね。貴方がたの要求は満たされたはずです」
「フッ。今のところはな。けれど、これでヤツらがどう変わっていくか。それは少し見守らねば。そもそも、あの娘の血に特別な力があるのかも、今のところは分からない」
「その点はご心配なく。あの娘には特別な能力がある。それは貴方のご子息が身をもって体験するはず」
「楽しみにしておくよ。我が一族の繁栄のために、な。ところで例の娘はどうだ?」
「貴方が掛けた呪いに随分苦しめられているようです。今は天使の力で呪いの進行を遅らせているようですが」
「そうか」
「娘を呪ったのは、貴方が手に入れる事が叶わなかったあの女への復讐ですか?それともあの娘を使ってもう一度…」
「お前が知る必要はない」
「…失礼致しました」
「呪いは時間を掛けてゆっくりとあの娘の心臓を壊していく。果たして憐れな天使の子は、特別な者から与えられる愛を手に入れることができるのか。引き続き見守るとしよう」
男は愉しげに笑う。
「さあ、息子たちよ。私を殺しに来い──。」
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