第15章 生きる意味
「わけの分からないこと、言わないで。あの人って…」
「んふ。ごめんごめん。とにかく、ボクが興味あるのはお花ちゃん、キミだけ、だよ?」
「(私が逆巻家に来たのは偶然、だよね…?もし違うとしたら…誰かの運命の悪戯に巻き込まれた?)」
それに、あの人って……
「──と、言うわけで。これは…ボクに頂戴ね」
「あっ!!」
ライトくんに携帯を取り上げられた。
「何するの!?」
「いらないでしょ〜、あんなもの。それに残念ながら連絡は取れないよ」
「っ!どうして…?」
「んふ…知りたい?」
「教えて…!」
「んふ。お花ちゃん可愛いね。そうやって…従順にしているのはとても好感が持てる。ただ…少し、刺激が足りないかなあ?」
「(刺激!?)」
「──まあいい。とりあえず、教えてあげるのには条件があるよ」
「条件?」
「はい、コレ。」
ライトくんが差し出したのは一冊の本だ。
「本?これをどうするの?」
「ゆっくり、はっきりした声で読んでもらえると嬉しいな」
「読むだけでいいの?」
「簡単でしょ?ボクは他の兄弟たちと違って、心が広いからねえ。これだったらお花ちゃんにもできるでしょ?」
なんだか怪しいと思いながらも、まあ読むだけならとライトくんの条件を呑むことにした。
「…分かった。読めばいいんだね?」
「んふ。違うでしょ、お花ちゃん。そこは、分かりましたライト様、馬鹿な私に是非読ませて下さい。──これが、正解だよ?ふっふっふ」
「(…なんか面倒くさくなった…)」
「とにかく、キミに拒否する権利はないんだからね?さあ、ページをめくって!」
「……っ……」
「ああ、ページは178ページの7行目からね」
「178ページの…7行目…え…!?」
指定されたページを開き、7行目を目で追う。だが心の中で台詞を読んだ途端、それが"ただの朗読"ではないことが分かった。
「どうしたの、お花ちゃん?」
「っ…こんなの、ひどい!」
「ヒドくなんてないさ。ちゃあんと日本語で書いてあるだろう?」
「それは、そうだけど…でも、これは…」
「──知りたいんじゃないの?」
「っ……意地悪しないでよ…」
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