第15章 生きる意味
「別に、意地悪じゃないさ。これは取引だよ?」
だとしても思いっきり官能小説だよ…!!
「さ、お花ちゃん、読んで。恥ずかしがり屋なキミの口から厭らしく語られる物語をボクにしっかりと聞かせて」
「わ、私…こんなの読んだことな…」
「ここでやめたら教えてあげないよ?」
「っ……か、彼女の紅く…熟れた扉を…開くと…待ちかねていたかのように…」
「───もっと、大きな声で。」
「ま、待ちかねていたかのように…甘い、蜜が…こぼれ…」
「こぼれ?」
「こぼれ…落ちてきた…っ!」
ぽぽぽっと顔に熱が集まり、恥ずかしい気持ちで一杯だったが、なんとか最後まで読めてホッと胸を撫で下ろす。
「身体が熱いよ、お花ちゃん。もしかして、これを読んで興奮してきちゃった?」
「っ…ち、違うよ!それより、読んだから、もういいでしょ?」
「だぁめ。ボクがいいっていうところまで読んでよ。ほら?」
「──わ、私は…その蜜を…その、蜜を…」
「んふ?続きは?」
「ら、ライト…くん…」
「そんな目で見てもダーメ。んふ、キミが目を潤ませてボクを見つめてくれるのは凄く可愛らしくて興奮するけど、まだ終わりじゃないでしょ?」
「興奮…しないで…」
「今の言い方すごく厭らしくて好きだなぁ。ほら、ボクより本を読み上げてってば。それに…あんまり駄々こねると、押し倒して無理やり襲っちゃうよ」
それを聞いた私は、本気なのか冗談なのか分からないライトくんの言葉に怯え、慌てて台詞の続きを読む。
「(こんなの…恥ずかしくて読めないよ…でも最後まで読まないとライトくんが…)」
卑猥な言葉が羅列され、口に出して読むことすら躊躇われる。すでに泣きそうだ。
「もう、無理…!」
「無理じゃないでしょ。──ほら、しっかり読めよ」
「あっ!!」
ライトくんの手が脚に触れる。
「ん……」
「お花ちゃーん、感じてないで早く続き読んでよ」
「あ、ぅ……」
撫でられる手が気持ちよくて、ふるっと身体を身震いさせる。
「蜜、を…すすり…」
「──お花ちゃん、どうしたの?」
「もう、や、めて…!!」
ドンッとライトくんを突き飛ばす。
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