第14章 愛しの"アノ人"
「全く、お花ちゃんってば立ち聞きなんてやーらしーの!ふふふ。やっぱりお仕置きが必要みたいだねえ。さあて、どうしようかなあ」
「うっ……」
「こーんなふうに…喉元を締め上げながら…キミの純潔を奪うべきか、それとも。」
「く、くるし…息が…」
「キミの美味しそうな血を思う存分啜るべきか…どうしようかな?」
「(どんどん、首が締め上げられていく…!)」
息が苦しくて、涙がじわりと浮かぶ。
「あ、どうする?お花ちゃん、キミに選ばせてあげるよ。ふふふふふ。」
「は、な…し、て…っ」
「ああ、ごめんよ。つい、うっかり殺しちゃうところだったよ」
手が離れ、苦しさから解放される。
「ケホッ…うっ…」
「苦しかった?涙まで浮かべて」
「(本当に殺されるかと思った…)」
「さあ、お花ちゃん。どっちのメニューにする?んふ。」
「(ライトくん…目が本気だ。このまま、どっちも嫌って言っても、逃げられない気がする…。でも、血を吸われるわけには…)」
「恐怖に染まるお花ちゃんも可愛いね。でもさ、答えなんて悩む必要ないだろ?キミの答えは最初から決まってるんだからさ」
「……………」
「はぁ…時間が掛かるなぁ。仕方ない、今日のところは…ボクがお仕置きのメニューを決めてあげる」
「っ………!!」
ドサッと冷たい地面に押し倒される。
「ら、ライトくん…!」
「慌てちゃってどうしたの」
「わ、私まだ吸っていいなんて…」
「お花ちゃんが早く決めないからだよ。キミの血を貰うくらい、別にいいよね?」
「だ、ダメだよ…!!」
「もぉ〜嫌がるフリが上手なんだから♪」
「本気で嫌がってるの!!」
どうにかして逃げ出そうとするも、それを許さないとでも云うかのように、ライトくんが指先を絡めてきた。
「やっ!ライトくん!離して…!」
「こうすればキミは逃げられないね。恋人みたいに両手の指先を絡めてギュッと握って…地面に縫い付けて。」
「お、お願い…血は吸わないで…」
「あぁ、見下ろすお花ちゃんも凄く可愛くて惚れ惚れしちゃうよ。相変わらず目に涙を潤ませて、恐怖に染まった顔でボクを見てる」
.