第14章 愛しの"アノ人"
【廊下】
「ふぁあ…眠い…」
もうすぐ朝が来るというのに変な時間に目が覚めてしまった。眠気覚ましにシャワーでも浴びようとバスルームに向かう。
「今日の入浴剤はローズの香りにしよ♪」
ガチャッとバスルームのドアを開けた。
「やっほーお花ちゃん?お花ちゃんのバスタイムをハッピーにするために〜。このボクがやって来たよ?」
「なっ……!!」
持っている入浴剤を床に落とす。なんとそこには何故かライトくんが待ち伏せていたかのように立っていた。
「へ…変態っ!!」
「んふ。よく言われるよ。ボクにとっては褒め言葉だね。それに、ボクのことが正常に見えるなら、キミはだいぶおかしい。良かったね、お花ちゃん。正常でさ?」
「(ぎゃ、逆に褒められた…!)」
というか何でこんな時間に起きてるの!?
「と、とにかく…出て行って!お風呂だったらライトくんの部屋にだって…」
「イヤダ。」
「そ!そんなわがまま…」
「ねぇ、お花ちゃん。ボクにお願いがあるなら、ちゃんとボクを見てから、話してよ」
「でも……!」
「でも、何?」
ライトくんと会うと高確率で酷い目にしか遭わないのは前から知っている。だからこそ早くその場を立ち去らなければ…!
「ライトくんが出て行かないなら私が…」
「ダーメ。」
「っ……!?きゃあっ!!」
バスルームから出ようとライトくんに背を向けた途端、腕を引っ張られ、浴槽の中に何故かライトくんと一緒に入る。
「お花ちゃん、捕まえたっ♪」
「ちょっと…何するの…っ!?」
「何って、お風呂に入ってるんだよ?」
「服のままだし、溺れそうになったよ!?」
「んー。溺れたら溺れたで、ボクが人工呼吸してあげるから安心して?んふ。」
「け、結構です!」
「そんなこと言って…心臓、ドキドキいってるよ?」
「っ……!さ、触らないで!!」
服が乱れているライトくんを両手で押し返すも、当たり前だが力では適わず、逆にライトくんの手が私の服を乱そうとする。
「やっ…!脱がせないで!」
「ちょっと肌に触れただけなのにビクッとしちゃって。ねーえ、お花ちゃん。この前の続き、してあげよっか?」
「え?」
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