第14章 愛しの"アノ人"
熱のこもった目で、ライトくんは私の唇に深いキスを落とす。キスしてる間も、胸を少し強めに揉まれ、息苦しさで眉を寄せる。
「ふ、んん……っ、っはぁ……やぅ……んんっ……」
「んんっ……チュッ……んっ……」
「っは…ライ、トくん…もうやめ…」
「可愛すぎるキミが悪いんだよ?」
「な、に…それ…」
「ほら…もっとキスしてあげる」
「あっ……んっ……」
「ふふ、これじゃあお仕置きじゃなくて、ご褒美かぁ、お花ちゃんにとっては」
「(ライトくん…キス、上手い。)」
コツコツ…
「!」
廊下から足音が聞こえ、それに気付いたライトくんが私の耳元に唇を寄せて囁く。
「廊下、誰か歩いて来るね」
「え?」
「(この足音は…ビッチちゃん?)」
「ラ、ライトくん…もう離れて…っ!」
「えーいいじゃない。聞かせてあげようよ。ボク達が今、此処で何をしているかをさ」
「や、やだやだ……っん!」
サッと顔を青ざめさせ、泣きそうな顔でライトくんを見るも、彼は悪戯めいた顔で笑い、嫌がる私に再びキスをした。
「んっ…いゃ…っ、ふっ……んんっ!」
「チュッ、チュッ…ん、ふふ…ちゅぅっ」
段々と足音が此方に近付き、私は声を出さないように必死に抑え込む。
「あっ!!」
その時、ライトくんが胸を少し強めに揉み、油断していた私は声を上げてしまう。
「……ん?足音が止まった?」
「(っ!絶対バレた…!!)」
その足音はキッチンの前で止まった。
「あーあ、お花ちゃんが声なんか出すから」
「ライトくんが急に胸揉んだりするからでしょ!?」
私は小さい声でライトくんに怒る。
「どうしよ…絶対にバレたよ…」
「そうだねぇ。お花ちゃんが兄弟の中の誰かとヤッてるって思うだろうねぇ」
「笑い事じゃないよ…っ」
「ま、ボクしかいないんだけど」
緊張と焦りと怖さから心臓がバクバクと音を立てる。バレたかも知れないというのにライトくんは笑ってるし、もう怒りを通り越して泣きそうだ。
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