第14章 愛しの"アノ人"
「大丈夫。裸エプロンは諦めるから。」
「誰もそんなこと聞いてない!」
「はーいはい、大人しくしててねー」
「きゃっ!」
ぐっと持ち上げられ、シンクの上に下ろされる。不安げにライトくんを見ると、意地悪そうにクスッと笑った。
「ライトくん…!」
「オロオロしちゃって。落ちると危ないからボクに捕まって。お花ちゃん、ボタン外すよ?」
落ちないようにライトくんの腕に手を伸ばす。私の制止を無視して、ライトくんはブラウスのボタンを一つ一つ、外していく。
「ねぇ!誰かに見られちゃう!」
「見せつければいいじゃない。そのほうがお花ちゃんは興奮するでしょ?」
「しないよ!」
「本当にイヤなら抵抗しなってば。じゃないと、このままお花ちゃんの可愛い下着、ボクが見ちゃうよ?」
「(抵抗したいのに何でできないの…!)」
それはまるで運命に抗う事を拒むかのようにライトくんの行動を止める事ができない。
「(魔族の"気"に長く触れすぎたから?それともライトくんだから抵抗できないの?このままだとまずいのに…どうして拒めないの?前までの私なら、ライトくんを拒絶できたのに…!)」
「あ、水色だ。」
「!」
いつの間にか胸元まで開けられたブラウスのボタン。そこから覗くレースがあしらわれた水色の下着をばっちりライトくんに見られてしまった。顔を赤くした私は、咄嗟に胸元を腕で隠す。
「抵抗しないから下着、見ちゃった。そっちの色も可愛いね。レースが好きなんだ」
「さ、最低!やめてって言ったのに…!」
ぐぐっとライトくんを押し返す。
「隠さないでもっと見せてよ」
「あ!」
両手を掴まれ、下着を隠す術を無くす。誰かが来てしまうかも知れない焦りと、ライトくんに見られている恥ずかしさで、私は泣きそうになり、顔を伏せる。
「お花ちゃんって胸が大きいんだね。ビッチちゃんに見せてあげたいくらいだよ。あの子もこれくらい大きかったら、アヤトくんに"チチナシ"なんて呼ばれずに済んだのにね」
「やだ……っ」
「柔らかそう…」
「え!?ちょっとライトくん…!?」
興奮するように吐息を漏らし、胸元に顔を寄せたライトくんはチロッと覗かせた舌で、肌を舐めようとした。
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