第14章 愛しの"アノ人"
「やっ…!い、やだってば!今、料理中なの!」
「んー。イヤなの〜?あ、じゃあ、ボクが脱がせてあげる。お花ちゃんは料理してて」
「っ!やめて…!スカートから手を放してっ!」
「大丈夫だよ?お花ちゃんは気にしないで料理を続けて」
「っ…これじゃ、気になって料理どころじゃないっ」
スカートを掴むライトくんの手を慌てて取り押さえ、放すように訴えるも、本人は楽しげに笑っている。
「えー?じゃあどうしようかな〜?」
「きゃ!!ちょっとライトくん…!!」
「んふ。スカートがダメなら、ブラウスだったらいいよね〜?」
「(また後ろから抱きしめられた…!)」
エプロンとブラウスの隙間に手を忍ばせ、ボタンを外そうとする。
「も…や、めて!本当に…怒るよ!」
「怒って怒って!なんならその火にくべたシチューの鍋をかけてくれたって構わないよ?」
「そ、そんなこと…」
「だって本当にイヤで怒ったら、そのぐらいのことするでしょ?ねぇ早く早く〜!」
「そんなことしないよ!それにそんなのかけたら…ライトくんが火傷しちゃうじゃない」
「ふふふ〜ん、優しいね、お花ちゃん。でもボクに優しくしたって意味ないよ?」
「別に優しいわけじゃ…」
「何故ならボクは…ヴァンパイアだからねえ?」
そう言ってライトくんはブラウスのボタンを外し始める。
「お花ちゃん、いいの?このままだと本当に下着もはぎ取られちゃうよ?」
「ダメに決まってるでしょ!」
「だったらさ、抵抗しなよ。全身全霊をかけて逆らえば…ボクくらい振り払えるんじゃないの」
「っ………!」
「ほら、早くしないと…指、ブラウスの中に入っちゃうよ」
「んっ……」
冷たい指先が肌に触れて、思わず声を漏らす。それを聞いたライトくんがふと笑う。
「今気持ちよさそうな声が出たね?ふふ、お花ちゃんは感じやすいのかな?」
「ライトくん…やめて…」
「今日はどんな下着着けてるの?」
「知らない!もう…離して!」
「こーら、暴れないで。あーもう、面倒だからエプロン、取っちゃおうか」
「え!?やっ……!」
シュルッとエプロンの紐を解けば、パサッと地面に落ちる。
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