第13章 変態行為が大好きなマゾヒスト(√)
「睨んでも可愛いねお花ちゃん♪チュッ!」
「っ………!!」
「ふふ」
不意打ちでライトくんが唇にキスをする。
「ら、ライトくん!!」
「何?」
「どうしてく、口に…す、するの!!」
「お花ちゃんとキスしたかったから」
「!し、信じられない…っ」
わなわなと怒りで体が震える。
「っていうかさ、お花ちゃん。学校から帰って来たばかりなのにもう寝るの?」
「今日は凄く疲れたの。アヤトくん達が騒がしいせいで寝られなかったけど」
「今から寝るなんて勿体ない。というわけで私服に着替え直してボクと遊ぼ♪」
「ライトくんと遊ぶ?……………。」
「うわー露骨に嫌そうな顔だねぇ。別にお花ちゃんで遊ぼうとか思ってないよ?」
「私で遊ばれても困るよ…」
「いいから着替えて着替えて!」
「えぇ〜……」
言う通りにしないといつまでもここにいそうな気がして、それはそれで困ると諦めた私はクローゼットから適当に服を取り出す。
「じゃあライトくん、着替えるから出て行って」
「ボクが着替えさせてあげるよ♪」
「いりません!」
「んふっ。悪くないね、その強気な視線…ぞくぞくするよ…。もっと、お花ちゃんを非道い目に遭わせたくなるじゃない」
ライトくんの視線にぞわっとした。
「いつまでも恥ずかしがってないで、その手に持ってる服、着替えてよ」
「………っ………」
「ほら。早く。」
「だからライトくんがそこにいると着替えられないんだってば…」
「ああ、ボクのことなら気にしないでいいよ。少なくとも、ボクは気にしないから」
「っ…ライトくんが気にしなくても、私は気にするの!だから…」
「お花ちゃん。あまりにも聞き分けがないと、ボクだっていい加減、怒るよ?」
「っ………!?」
“怒るよ?”の言葉だけ急にトーンが下がり、いつものライトくんの穏やかな声から想像つかないほど、怒気がこもっていた。
「(あ、れ…?ライトくんって…こんなに冷たい声、だったっけ…)」
「───いいから、さっさと脱げ。これはお願いじゃない、命令だ」
「ら、ライト…くん?」
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