第13章 変態行為が大好きなマゾヒスト(√)
「聞こえなかったのか?ボクは早く脱げって言ったんだよ。」
「……っ……」
いつもと違う雰囲気のライトくんに怖くなり、私は寝間着から私服に着替え始める。
「んふ。そうそう、ゆっくりね。ボクにちゃんと見えるように着替えて」
そうして声のトーンが元に戻り、私は涙を浮かべながら寝間着のボタンを外す。
「こんなことして…何が楽しいのか、分からない…」
「ふふ、そう?だったらキミに教えてあげなくちゃあね。──堕ちていく、快楽ってやつをさ」
「……っ……」
「忘れないで。飛び込んできたのはキミなんだからね。たっぷりと…隅から隅まで、可愛がってあげる。お花ちゃん…んっ…」
じゅるりと耳を舐められる。
「さあ、これから何をして遊ぼうか──」
ライトくんが愉しげに笑った。
◇◆◇
【遊戯室】
「…こんなところに呼び出して。」
「あ!お花ちゃん、来た来た!」
「ライトくん、一体なんの用…?」
「ほら、お花ちゃんも一緒にやろ?」
「ビリヤード?」
「そー!永遠の生を生きるボクらヴァンパイアはヒマを持て余してるから。たまにはこういう人間の俗な遊びでもやらないとね、息が詰まるでしょ?」
「…ヒマだったらもうちょっと真面目に学校に行けばいいのに」
今日は学校に行くはずだった。いつも通りにリムジンに乗って学校に向かうんだったんだけど…理由は知らされないまま、ライトくんに遊戯室まで呼び出された。
「(なんで私まで付き合わされて休まなくちゃいけないの…)」
「んー。今日はそんなキブンじゃないんだよ。それに他のヤツラが学校行ってる間は、ここで、お花ちゃんとふたりきりになれるだろ?んふ。」
「さ、さりげなくそんなこと言いながら…なんで私を抱き寄せるの?」
「ふふふ、何、お花ちゃん。期待してるんだ?ただのビリヤードなんだけど?」
「違うよ!それにただのビリヤードだったら、こんなにくっつく必要ないでしょ!」
「いいんだよ〜、期待しても。だってボクもそのつもりでキミを呼んだんだから…ね」
「うわっ!」
軽々と抱き上げられ、そのまま台の上に押し倒されてしまう。
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