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終わらない愛があるとしたら【ドS吸血鬼】

第13章 変態行為が大好きなマゾヒスト(‪√‬)



───これは、愛ではなく、恋でもない。



ただの欲望だ。



つまり欲望は、愛ではない。
そして、恋でもない。



欲望とは飢えた獣のごときもの。



渇望に追い立てられた必然にして
当然のものである。



愛ではない。



【リヒター卿】



◇◆◇


【自室】



「はあ……」



ああでも言わなきゃ本当に血を吸われかねない勢いだった…。苦し紛れで誰かの名前を言わざるを得なかったんだけど…どうしてよりにもよって咄嗟にライトくんを選んでしまったんだろう。



ドクンッ



「(この家に来てから凄く息が詰まるような感じがする。やっぱり魔族と関わるんじゃなかった。)」



魔族(特にヴァンパイア)は、"私達"にとって穢れになる存在で、魔界は悪影響を及ぼす場所だと小さい頃から教えられてきた。



「(どうしよう…魔族と暮らす事になるなんて。もしかしてアヤトくん達と関わった時点で、私の身体は既に穢れ始めていたのかもしれない…)」



不安げに瞳を揺らす。



「(アヤトくんが余計な事を言わなければ…。どうにかしてこの家から抜け出さないと。ぐずぐずしてると間に合わなくなる。早く呪いを解いてくれる『特別な者』を探さないといけないのに。)」


そう思うと背筋をゾッとさせた。



どっと疲れが溜まっていたのか、今日はもう寝ようと思い、制服から寝間着に着替え、髪を解いて部屋の電気を消し、ベッドに潜り込む。



「(はぁ…散々な目に遭った。スバルくんに壊された携帯は明日買いに行って…それから呪いを解く方法を探さないと。)」



"───おい、レイジ!てめえ、オレのたこ焼き食いやがったな!"



"はあ?私がですか?冗談を言わないで下さい。私がそんなものを食べるとお思いですか?"



"うっせー!だったら誰が食いやがった!あぁ?カナト!オマエか?"



「……っ……」



部屋の外からアヤトくんの声が聞こえる。その騒がしさに閉じていた目を開けた。



「(人が寝ようとしてるのに凄くうるさい!)」



"──おい、そこの偉そうなの。少しは静かにしろ…昼寝ができねえ。"



"あぁ?偉そうなのってのは、オレか?"



"つーか…お前以外のどこに偉そうなのがいんだよ。分かれよ。"



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