第12章 誤解とすれ違いの誕生日(❤︎)
「……ぷっ……あはははっ!指から血が出てるじゃない!相変わらず、面白いコだなぁ。しかもこんなに愛が重たかったなんて!んー、やっぱりボクのものにしておくべきだったかな?」
「…おい。さっきからうるせぇんだよ、このヘンタイ。いいから早くどっか行け!」
「はーいはい。まったく、相変わらず横暴で困っちゃうよねぇ、アヤトくんはさぁ…くくくくっ」
ライトくんは可笑しそうに笑っている。
「ま、お花ちゃんは酷くされるのが好きみたいだから、お似合いっちゃお似合いかもね?」
「うるせぇ!早く行けっつってんだろ!」
「んふっ。じゃあね、お花ちゃん」
ライトくんはパチンッとウインクをしてそこから立ち去った。
「…………」
「あ、あの…アヤトくん」
「…んだよ」
「…この間、ごめんね。手を振り払ったりして…。でもあれには理由があるの。言い訳に聞こえるかもしれないけど、聞いてくれる…?」
「…なんだよ。くだらねぇ理由だったら、許さねぇぞ」
「…明日って、アヤトくんの誕生日でしょ?だから私、お祝いがしたくて…ずっとその準備をしてたの。本を読んでたのも、プレゼントは何がいいかなって考えてて…」
「…はぁ?じゃあなんでそれをオレに言わねぇんだよ」
「びっくりさせたかったから知られちゃいけないと思って…。……ごめんね」
「……っ……!」
「…アヤトくん?」
「…なんだよ、それ…。……ったく。意味わかんねぇ。オレはそんなことのために色々勘違いして、勝手にキレてたってことか?」
「………?」
「クソ、完全にライトのヤローに踊らされたってことかよ。あーくそ!オマエのせいだぞ、地味子!!」
「う……本当にごめんなさい…」
「つーか…オレ様はヴァンパイアだぜ?今さら誕生日なんかいちいち祝ってどうするっつーんだよ」
「ううん。たとえヴァンパイアだって…永遠の命を持ってたって、大好きな人の誕生日だもん。少なくとも私には特別だよ。アヤトくんがこの世に、生まれてきてくれた日なんだから」
「……………」
「ごめんね、アヤトくん。でもお願い…仲直りしよう?もう無視されるのは…辛い」
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