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終わらない愛があるとしたら【ドS吸血鬼】

第1章 PROLOGUE-はじまり-



「っ!?」



肩を掴まれたまま床に押し倒された。



「ちょっと待てカナト。こういうのは年功序列だろうが!」



「ははっ。何馬鹿なこと言ってるんですか。そんなの…あるわけないでしょ」



「(カナトくん意外と力が強い…!)」



「今更後悔しても遅いですよ?君の血、味見させてください」



「(やっぱり血を飲まれる!!)」



「ちなみに僕はとびきり甘いのが好きです」



「(吸血されるのはまずい!!)」



顔を近づけるカナトくんの牙が首筋に当たる。開いた口から覗く鋭い牙。あれが柔らかい皮膚を突き破り、血を啜る。考えただけでゾッと背筋が凍った。



「残さずぜーんぶ飲んであげますよ。…ね?」



「全部飲まれたら死ぬんだけど!!」



「死んだ後の君には興味がないのでどうでもいいです」



「それはちょっと酷いんじゃないかな!?」



「すんっ。ああ…やっぱりそうだ。近づかないと分かりませんが、君からは微かに甘い匂いがします」



「カナトくん!!本当に待って!!」



「でも何でしょう…この匂い。彼女とは違った血の匂いですね。とても美味しそうです」



「(話を聞いてくれない!どうしよう!このままだと本当に私、カナトくんに血を吸われる!私の中に魔族の血が混ざっちゃう…!)」



今にも牙を立てそうなカナトくんに吸われないように必死に頭をフル回転させる。



「ちょ、ちょっと待って!!」



「──何?」



「私の血、甘い匂いかも知れないけど実際に飲んだら吐くほど激マズかもよ!!それでカナトくんの気分が悪くなったら大変でしょ!?」



「ぷふっ…ふふふっ…お花ちゃん…必死だねえ。そんなに血を吸われるのが嫌なんだ」



「(誰だって嫌に決まってるよ!こっちは吸われないように必死に抵抗してるのに何を可笑しそうに笑ってんの…!!)」



「君に僕の体調の心配なんかされたくないです。それに君の血が不味いかどうかは飲んでから決めます」



「お腹壊しても知らないよ!?」



「オマエほんとしつけーな。別にいいだろ、血くらい。減るもんじゃねーし」



「良くない!!私の血が減る!!」



ウンザリするように言ったアヤトくんの言葉に反論するように言い返す。



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