第10章 歪な関係で私達は
「や…っ、じ、自分で拭くから…!」
「ふふ、照れちゃって。かーわい。……ん……チュッ」
「あ……っ!」
ライトくんに迫られ、逃げ道を奪われた私はどうしたらいいのか分からず、困っていると…
「うわっ!」
「おっと…」
「……っ……」
ライトくんを強引に押し退けたアヤトくんが私を引き寄せた。
「あ、アヤトくん?」
「隙見せてんじゃねぇよ、バーカ」
「う……」
「ヘマしねぇように…オレ様が食べさせてやる」
「え?」
「ほら、口開けろ」
「あ、アヤトくん…それ、ナイフ…」
「ああ、フォークは今落としちまったからな」
「(そ、そんなので食べさせられたら…)」
「まったく、喧嘩するのはいいですが、物に当たらないでいただきたい。そのフォークも、安物ではないのですよ」
「うるせぇ!この食器ヲタクが!」
「(アヤトくん、気が立ってる…)」
「さっさと口開けろ、メグル」
「(開けないと無理やりねじ込まれる…)」
恐る恐る、口を開く。
「ククッ、よし…」
「はむ……ん……」
「……ククッ」
「ん……!?」
ナイフの刃が舌に当たり、痛みが走る。
「あー、悪ぃ。傷つけたか?」
「う〜っ……」
顔を歪めた私を見て謝るが全然反省の色が窺えない。むしろ愉しそうに笑っている。
「見せてみろ。…あー、血ぃ出てんな。消毒してやるよ…。ん……っ……」
「え…!んっ…!」
みんな見てる前でキスされ、私の顔が一気に赤くなる。
「んふ。情熱的なキスだね。涙が出てくるよ」
「…気に入りません…」
「……んっ……」
「ん……、……っ」
息が苦しくて、涙が出ちゃうのに、アヤトくんは何度も私にキスをする。
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