第10章 歪な関係で私達は
「レイジさんもご一緒に食べませんか?」
「結構です。私は、貴女方が茶器を触らずに済むよう、お茶を提供しただけですから。勝手に触られて、割られでもしたら目も当てられません」
「「き、気を付けます…」」
実は少しレイジさんのことが怖かったりする…。初対面の時といい、食器洗いの時といい、怒られた記憶しかない。
「まあまあ、レイジは放っておいて食べようよ。お花ちゃん、こっち座って?」
「ラ…ライトくんの隣…?」
「ユイさん、貴女は僕の隣にどうぞ?」
「あ、うん。」
おいでおいでと笑いながら手招きされ、とりあえずライトくんの隣に座ろうとする。
「って…なんでテメェの隣に座らすんだよ!?」
「このワッフルを提供したのはボクだよ?当然の権利じゃないか。やっぱり、アヤトくんてばヤキ…」
「ヤキモチじゃねぇっつの!」
「(賑やかだなぁ…)」
「…ん、なかなかの味です。君も、このふたりは気にせず食べてしまった方がいいですよ。いつ終わるか分かりませんから」
「じゃあ、いただきます」
パクッとワッフルを口に運ぶ。
「…美味しい!このワッフル、ふわふわしてて甘くて舌がとろけちゃう」
「でしょ?ボクのオススメなんだ」
「オイ!まだ話は終わってな…」
「あれ?お花ちゃん…」
「ん?何、ライトくん?」
「ほっぺにクリーム。ん……っ」
「っ……!」
ライトくんは私の頬についたクリームをぺろっと舐めた。
「テメェ…!」
「も、もうっ!だからライトくんの隣は嫌だったの…!」
「ふふ、照れてるの?ほーんと可愛いなぁ、お花ちゃんは♪」
「違うけど!?」
そこでハッとしてアヤトくんを見る。
「メグル…」
「っ…ライトくん。舐めなくても言ってくれれば自分で取…」
「嫌だなぁ、お花ちゃん…よそ見するなんてつれないことしないでよ。ますます燃えるじゃない…!」
「ひっ…へ、変態!」
「最高の褒め言葉だよ」
.