第10章 歪な関係で私達は
「……はぁ。なんだよ、大人しいじゃん」
「…吸血衝動は収まった?」
「ま、多少はな」
「じゃあ一旦離れて。校内放送しなくちゃ。足りなかったら、また後で…」
「……ふぅん」
カチッ
「(マイクのスイッチOK。放送の合図音は…これでよし。)」
「リアクションなさすぎてつまんねぇな…」
「(え!?)」
「ククッ、ほら。放送続けろよ…」
「っ………!」
もう合図を鳴らしてしまい、途中で止めることはできない。アヤトくんがピッタリと後ろに多い被さり、意地悪な笑みを浮かべて耳元で囁く。
「ほ、本日は、月に一度の委員集会です」
「……は……ん……!」
「っ…………。」
後ろから首を噛まれ、思わず声を出しそうになるのをどうにかして堪える。
「各クラス、学級委員の人は…こ、この後…会議室に…集合して下さい…っ」
校内放送だから繰り返さないといけないのだが…
「チュッ……どうした?」
「(このまま続けたら身が持たない…!)」
私は終わりの合図音を出し、マイクのスイッチを切った。
「なんだよ、まだ終わってねぇじゃん」
「アヤトくんが悪戯するからでしょ!」
「こんくらい耐えろっつの」
「大体…吸っていいなんて…言ってないのに…アヤトくんが…」
「あ?」
「……っ……」
ドサッ
「へェ、誘ってんの?…我慢できなくなったってか?」
「そんなんじゃな…」
体の力が抜け、その場にへたり込む。
「じゃあ、なんなんだよ?」
「……………」
「ククッ、まぁいいや。その行動に免じて…」
「え……」
「シテやるよ。……んっ……」
「んん……っ」
「…ほら、こうされたかったんだろ?ん……」
「(キス…気持ちいい…)」
「……んっ……チュゥ……」
「(アヤトくんとのキス…激しくて、でも…どこか優しくて…好きだなあ。)」
目がとろんっとなる。
「ん……っ……」
「すげぇエッロい顔…。やっぱ好きだろ、キスされんの。なぁメグル…オレのキスはそんなに気持ちイイかよ?」
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