第10章 歪な関係で私達は
「何でオレに言わねぇんだよ」
「だって呪われてるって言っても、アヤトくん信じないって思ったから」
「信じないっつーより興味ねぇな。オマエが呪い殺されようがオレには関係ねぇし」
「っ…………」
「ナァニ泣きそうになってんだよバカメグル」
「…なってないもん」
涙目で落ち込んでいる私を見てアヤトくんは可笑しそうに笑う。
「つぅかオマエ、そういうことは早く言え。嫉妬深いクセしてホント素直じゃねーな」
「ごめんね…」
「ナニ勝手に落ち込んでんの?オレ別に信じねぇとは言ってねーじゃん」
「え?だって興味ないって…」
「そりゃあ、昔の話だろ。今はオマエと一緒にいてそれなりに楽しいし?最初の頃に比べればオマエのことは…」
「…………?」
そこまで言うとアヤトくんは言葉を止めてしまう。不思議そうに見つめていると額に手が伸ばされ、何故かデコピンされた。
「痛っ!」
「ハッ、油断してンじゃねえ」
「な、何でデコピンするの…!?」
「ブサイクだったから」
「全然理由になってないんだけど!」
「信じてやるよ」
「え……?」
「オマエの話」
「信じて…くれるの?」
「どうせオマエ一人じゃ解けねぇし、仕方ねーからオレ様も一緒に手伝ってやるよ」
「アヤトくん…」
まさかアヤトくんが協力してくれるとは思わず、デコピンされた額を押さえながら嬉しさを噛み締める。
「オマエの『特別な者』はオレだろ。なら簡単じゃねぇか。オレがオマエと一緒に永遠の愛っつーのを手に入れれば、オマエは晴れて長年苦しめられた呪いから解放されるってこった」
「!」
「それに今ならオッサンの言ってた意味も理解できるしな」
「え?」
「アイツ、オレにはオマエの呪いを解くことは不可能だって言ってただろ?多分オレが呪いの手助けをしねーと思ったんだろうな」
『悪いがソイツには解けないぞ』
「(アヤトくんと一緒に呪いを解きたい。彼から与えられる愛が欲しい。例え私の何かを犠牲にしても。)」
「これでもう、一人で堪えずに済むだろ」
「アヤトくん…」
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