第7章 純潔を失った天使は
基本はユルい三つ編みスタイルだ。天界にいた頃は髪は下ろしていたが、下界で暮らし始めるようになってからは人間の真似事で、オシャレな三つ編みの結い方を勉強して、そこから気に入って今も同じ髪型になっている。
「なぁメグル…オマエ、髪伸ばせよ」
「短いの…好きじゃない?」
「髪の長さなんてどーでもいいけど…オマエが髪を伸ばした姿は見てみてぇ」
「!」
アヤトくんがそんなこと言うなんて…
「に、似合う…かな?」
「さぁ?伸ばしてみねぇと似合うかどうか分かんねーな」
「もう…またそうやって意地悪言う…」
「ま、似合わなかったらオレ様が直々に切ってやるから心配すんな!」
「…アヤトくんには絶対に頼まない」
「何でだよ?」
「(鋏なんて持たせたらどうなることか…)」
その時の姿を想像し、ぞわっと身震いする。
「(でも…いいかも、ロング。母様と同じサラサラの綺麗な髪……。)」
母様の事を思い浮かべ、懐かしさで笑みを浮かべる。
「三つ編みは似合ってない…?」
「出会った時からそれだったからな。正直見飽きた。まぁでも…可愛いとは思ってるけどな?」
チュッと唇にキスをされる。不意打ちを食らった私はアヤトくんの言葉にぽかんとした後、ぽぽぽっと頬を赤く染めた。
「か、可愛いって…」
「お?ナニ、照れてんの?」
「て、照れてない!」
「ククッ、オマエほんっとーに可愛いな?」
「アヤトくん……!!」
からかうアヤトくんに恥ずかしさが込み上げた。
「…も、もう出る!」
「ククッ、こーんなベトベトのまんまでか?」
「アヤトくんにいいように遊ばれるよりマシ…って、あ、いた…!」
「あ?」
「め…目にハチミツが…っ!」
「ヘッ、バーカ。暴れるからだぜ?ほら、こっち向けって」
「きゃ……!」
「……は、ん……っ」
目の周りを舐められ、ビックリして逃げようとすれば、手をガシッと掴まれる。
「しっかり目閉じてろよ。ん……っむ……」
「っ………!」
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