【鬼滅の刃】杏の木 ♦ 煉獄 / 長編 / R18 ♦
第3章 鬼の血の子と稀血の柱 ※
その蜜が溢れる恥部へと手を伸ばそうとした実弥の腕を、蛍が掴む。言葉は発さず、ただ静かに首を横に振る。彼もその意図を汲み取り、今度は逆に彼女の手首を握り返し、布団へと押しつけた。
余計な事はしない。特に愛情があるわけでもなく、お互いがただの欲望を満たしているだけだ。愛撫すら必要はない。
そう思えば心も軽い。お互い口にはしないが、同じ思いであろう事が肌から伝わってきた。
口付けをしたまま、自分のモノを擦り付けると、早く入れて欲しいと言わんばかりに腰を良い位置に動かしてくる。手首を話すと、掌を握り、しっかりと布団に押さえつける。実弥はとうとう侵入を果たそうとその先端をあてがった。
「もう後悔しても止まれねぇからなぁ?」
「……言うと思うの…?早く…あっ……んっ!」
蛍の言葉を最後まで聞かず、先走って濡れた先端をゆっくりと挿入しはじめると、彼女の口から声が漏れ始める。
「十分濡れてるじゃねぇかぁ?誘ったのはそっちだから遠慮はしないからなぁ」
耳元で囁くと蛍の頬が赤く染まるのがわかった。そのまま、実弥は彼女へと腰をゆっくりと沈めていく。先端が入っただけでも凄い熱と圧力で彼を締め付けてくる。
「はっ…煽るほど余裕があるのかよぉ?」
更にぬぷぷっ…と卑猥な音を立てて自分の中に入ってくる質量に圧倒されながら、蛍は全身を突き抜けるような気持ちよさに恍惚としていた。足は自然と実弥の腰に絡みつき、喉の奥からは嬌声が無意識に漏れ出て止まらないでいる。
「ああっ……あん……あっ……深いの…っ…!」
「これが欲しかったんだろうが……くれてやるよ」
最奥まで入ってから、実弥が腰を動かし始めると先程までとは比べ物にならない快感が体を支配し始めた。
深く穿たれる度に、声が漏れ出る。声を出さないと、力を逃さないと、気を失いそうなほどに気持ちがいい。
意図せず反射的に、繋いだ手を押し返そうとしてしまうが、それよりも更に強い力で布団に押しつけられた。
「少し力を抜け…」
少し上体を起こす。実弥の口の端から繋がった銀糸が蛍の口元にとろりと零れると、彼女はそれを心底美味しそうにぺろりと舌で美味しそうに絡め取った。
「はっ…そんなに美味いのかよ」