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【鬼滅の刃】杏の木 ♦ 煉獄 / 長編 / R18 ♦

第3章 鬼の血の子と稀血の柱 ※


だが今の蛍には、霞のかかった様な思考状態も相まって、どこか他人事の様に聞こえた。今の自分がすべき事は仕事だが、したい事はそうではない。

蛍は体を起こし、実弥に前のめりに近づくと、何の前触れもなくその唇を奪った。唇を重ね、吸い付き、舌を入れる。彼の唾液が口内に入ってくると、想像以上に、それは今まで経験した事のない甘美な味だ。

突然の事に面食らうも、実弥は慌てて彼女を引きはがす。
よくよく見ると、目はとろんと蕩け、唇に付いた実弥の唾液を惜しそうに舌なめずりしている。

繁殖能力のない鬼にあるのは食欲だけだ。だが彼女の瞳に灯っているのは性欲の様にしか見えなかった。

「半人半鬼かぁ?」

聞いた事だけはあるが、どこか、何かが違う。実弥も本能で蛍が鬼とは違う事がわかった。
今すぐお館様のところに連れて行くべきだろう。気絶させるべく拳を握りしめる。

「……やめて…」

だが、潤んだ瞳で見つめられ、思わず手が止まってしまう。ゆっくりと近づいてくる蛍に、先ほどの口づけが彼の脳裏をよぎった。

甘美な蜂蜜の様な口づけ。実弥が最後に女性と体を重ねたのは、もっと幼く、鬼殺隊に入る前だった。

(この感覚…久しぶりだ。もう一度だけ…)

きっと次に唇を重ねると、歯止めがきかなくなりそうだ。そんな予感を抱き、近づいて来た蛍を、今度は実弥から引き寄せ、唇を重ねる。

実弥には蛍の熱を帯びた唇がとても心地良かった。
蛍には絡まり流れてくる実弥の唾液が蜂蜜の様に甘かった。
お互いの要求が一致し、更に深い口づけを交わす。

実弥の体液を取り込むほど、体は熱を帯び、力が湧いてくるのがわかる。理性ではなく本能がもっと、もっとと彼を求めた。

「ごめんなさい……でも我慢できないの」

自ら隠の隊服を脱ぎ始め、やがて一矢纏わぬ姿になった。
艶めかしい年上の女性の体に、否が応でも釘付けになる。誘うようにゆっくりと仰向けに倒れ、実弥もそれを追うように、自分の衣服を脱ぎながら、蛍に覆いかぶさった。

もう既に濡れそぼった秘部に、実弥のイチモツが触れると、お互い唇を貪りながらそれを擦り合わせる。くちゅり…と卑猥な音が響いてはねっとりと濡れていく。
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