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桃紅柳緑【鬼滅の刃】【R18短編集】  

第1章 ※恵風和暢 【不死川実弥】1


イライラしすぎて、いつもは飲み込める言葉が口を衝いて出た。
「あやサン。鬼殺隊辞めてください。」
「俺が、あやサンの替わりに全部の鬼を斬るんで。あんた向かねぇよ。小せぇ体で。」
目は逸らしたままで言う。
「実弥。急にどうしたの?ちゃんと目、見て。」
(くそっ、今・・・目・・・見たら・・・)
目が合った瞬間、実弥はチッと舌打ちし、あやの後ろ頭を掴み、体を抱き寄せて口付けをした。開いた口の隙間から舌を入れ、激しく口内を犯す。
「んーッ!んッ、んッ。」バシバシと実弥の肩をあやが叩く。
実弥は口を離すと強く強く抱きしめた。「痛い」と言うあやの声を聞いたが、離さない。細ェ。腰なんてそのまま折っちまいそうだと思いながら、叫ぶ様に言う。
「・・・あやサン。俺が強くなったら守ってくれって言ったじゃねェか!」
「実弥は私に自分の身は自分で守れって言った!」
「鬼殺隊は辞めない。私にできることはこれしかない。急にどうしたの?」
実弥はまた腕に力を入れそうになったが、踏みとどまり、体を離した。
「・・・すんません。あーくそッ。もうこれ以上、目、見られると何するか分かんないんで、行きます・・・。」
「実弥・・。」
あやが何か言いかけたが、実弥は手で制しその場を後にした。


(あー最低だ。俺。自分で壊した。あの能天気な笑顔はもう見れねぇ・・・いや、見ねぇ方が良いわ。見たら心が優しくなるから。)


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