第7章 ※赴湯蹈火 【煉獄杏寿郎】2
杏寿郎の唇の紅を指でそっと拭い、あやは自分の着物を脱いでいく。襦袢になり、手早く杏寿郎の下帯を外す。
芯を持ち始めた魔羅を取り出しゆっくり手で扱く。そして口を付けて鈴口に舌を入れてちゅっと吸うと、一気に奥まで口にくわえて緩急を付けながら吸い上げる。
抵抗するのをやめたのか杏寿郎は静かにそれを見ており、歯を食いしばって時折口の隙間から出る「う…っ」という喘ぎ声をかみ殺す。
杏寿郎の若い体はすぐに反応し、あやの口内で果てる。あやは自分を見ている杏寿郎に微笑みかけながら、軽く口を開けて吸い取った物を見せる。そのまま慣れた手つきで近くにあった紙に、舌に乗せた精子を出す。
杏寿郎は小さな声で「あや」と呼ぶが、あやは目を合わせても返事をせず、艶っぽくにこりと笑い、まだ熱が冷めないそれに手を伸ばすと扱いて再び勃たせる。杏寿郎からは顔が見えない様に背中を向けてそれに跨がる。
ゆるゆると腰を動かしていくとまたすぐにあやの中で怒張し、杏寿郎の口から切ない喘ぎ声が出始める。あやの口からも「あっ、あっ」と、時折甘い声が漏れてきた。杏寿郎は、そんなあやの背中を見ながら、
「・・・あや。・・・あや。・・・あや。」
と何度も優しく名前を呼びかけてくる。
その声があまりにも甘く切なく・・・あやの心に響き、たまらず涙がぽたぽたと落ちる。少しの間下を向いて耐えようと試みたが、無理だった。
杏寿郎が「あや」と呼ぶ優しい声によって、自分が人として生きていた時の事が心の奥からずるりずるりと引きずり出されてきてしまった。・・・気分は最悪だ。
とうとう我慢できなくなってしまって杏寿郎の声に返してしまう。