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桃紅柳緑【鬼滅の刃】【R18短編集】  

第7章 ※赴湯蹈火 【煉獄杏寿郎】2


そして三回目。これで晴れて馴染みとなり、初の床入りになる。
部屋に通された杏寿郎は嬉しそうにあやを待っていた。あやが支度を整えて向かうと、すぐに前に座り話しかけてくる。

「あや。元気そうだな。探していたぞ。君の時間を買わせてもらった。これでやっと話ができる。」

あやはそれを聞きながら、杏寿郎に聞こえない位の小さな溜息をついた。「私を買った」とは言わない所が杏寿郎らしい。

「煉獄様。私は京極屋のいろ葉です。その私と何のお話を?」

「君のお父上とお母上の件は誠に気の毒だった。葬儀の後、碌に話もしないまま何故か突然、君は流行り病で死んだと聞かされた。」

「そんなはずはないと君の家の顔見知りの使用人に聞いたら、邪魔にされて遊郭に売られてしまったと分かった。」

「すぐに探しに行きたかったが、遊郭に入るには若すぎたし、自由に使えるお金も無く時間がかった。すまない。苦労しだだろう。」

最後に会った7年前とほとんど変わっていない杏寿郎の性格に驚いたのと同時に、杏寿郎をこれ以上喋らせると、立ち直れない位心を壊されそうで怖かった。

「ちょ、ちょっとお待ちください。煉獄様。」

「あや、何を待つんだ?自由に使えるまとまったお金もできた。俺とここを出よう。」

これは駄目だ。もう喋らせてはいけない。そう思ったので、急いで杏寿郎の唇に口付けをする。驚いた杏寿郎が何か言おうと口が少し開いたので、舌を入れ、中を探る。そして、手は杏寿郎の帯にかけするすると解いていく。

「んっ・・・ん。あや、・・・待て。」

着物の前を開け、下帯を緩めようとしているあやの手を掴み、杏寿郎は体を離す。杏寿郎の唇にはあやの紅が付いていた。

「待て、そんなことをしに来たのではない。」頬を紅潮させ、慌てて言う。
「煉獄様。ここはそんなことをする所です。」
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