第5章 ※燎原之火 【煉獄杏寿郎】3 完
「せんせい・・。」
後ろから、あやが抱き付いてくる。
「大好き。」
「・・・俺もだ。そっちを向いていいか?」
「もう少しこのまま言いたい。」
「せんせい。1年間ありがとう。楽しかった。」
「そうだな。」
「せんせい。…私との事、後悔してる?」
「・・あや、顔を見て言いたい。」
「はい。」
あやの方へ向き直り、両手を繋ぐ。
「後悔していない。君の純粋でひたむきなその強さに力を貰った1年だった。尊敬できる女性に会えたと思っている。」
よかった。と彼女は笑う。
「・・君の方こそ、俺との事は少し物足りなかったんじゃないか?週の内ほとんど一緒にはいられなかった上に、休日なんて人目を気にして出なかっただろう?他の子たちの様な恋愛ではなかった筈だ。」
俺が言うと、あやは驚いた顔を見せた。
「せんせい。もしかして気にしてくれてたの?私はとっても楽しかった。受験生だから土日はしっかり勉強してせんせいに褒めてもらって、平日は学校で格好いいせんせいに会えた。」
「平日の夜にはちょっと可愛いせんせいが私の家にいて、ハグとかキスとかしてくれるんだよ。これって凄いことだよね。」
「そ・・そういうもんか?それに、君から見た俺は可愛かったのか・・。」
「私せんせいを好きになって本当に良かった。せんせいも私を好きになってくれてありがとう。私、大学行ってからもせんせいの事を思い出したら辛い事も頑張れそう。」
「・・・俺が思っている以上に君はしっかりしていたな。大学では傍にはいてやれないが、君なら大丈夫だ。いつでも応援している。」
あやの唇にキスをする。何度も角度を変えてキスをし、少しあやの唇を舐めると、驚いて目を開ける。
「舌を君の口の中に入れたい。嫌ならしない。」
「・・・やってみる。」
「口・・開けて。」