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桃紅柳緑【鬼滅の刃】【R18短編集】  

第1章 ※恵風和暢 【不死川実弥】1


次の日から育手の所で実弥とあやは一緒に稽古をした。
実弥は体がしっかりしており、基本的な体力や戦闘の才能があやよりもあった。
しかし、呼吸など鬼殺隊としての基本は先に入ったあやの方が上で、実弥が思うようにいかない時は根気強く教えてやった。
実弥はこの姉弟子は隊士としての実力よりも、人として尊敬するところが多いと思ったらしく、なんとなく頭が上がらず、素直によく言うことを聞いた。

あやは自分が言うほど弱くはないが、筋肉自体がやはり男子のそれと比べて少なく、実弥と同じように稽古をしても、同じくらい力強くなるのは難しかった。

あや自身もそれは自覚しているので、戦い方や鍛え方など工夫しながら努力を重ねていた。

しかし、あやは稽古以外にも、食事の準備などの雑用も行っており、いつも実弥よりも遅く寝て、早く起きたが、それをおくびにも出さずニコニコ元気に動いていた。

「ねー実弥。好きな食べ物なあに?」
「おはぎっス」
「・・・随分かわいいね。」
「はァ?なんだ、あやサンその反応。聞かれたから答えたのに。」
「ごめん。もっと塩辛いものが好きそうな顔だったから。」
「じゃあ、あやサンは何が好きなんだよ?」
「・・・おはぎ?」
「何で俺に聞いてんだァ?ま、好きそうな顔ではあるなァ」
「ん?私の顔が丸いから?」
「んな事、言ってねェ。」
いつもいつも、この女は何だァ?と実弥がぷはっと笑うと、あやが驚いた顔で実弥をまじまじと見た。
「・・・実弥、笑うと可愛いね。よく見ると目も大きいし、睫毛も長い。」
「はぁ?面ならあやサンの方が可愛いだろ?」
言った後、しまった!と、口を塞いで横を向く。
「え?何?もう一回大きな声で言って。」
「何も言ってねェ」
あははははーとあやが笑い、実弥は赤くなる。

その話を聞いてから、あやはおはぎを良く作ってくれるようになった。
他にも実弥に好きな食べ物を聞くと、必ず作ってくれた
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