第24章 ※陽炎【煉獄杏寿郎】2完
煉獄の焦りとは裏腹にあやが腰を動かす度にまた煉獄の陰茎の芯は硬くなり、張りつめてくる。
重なった唇の隙間からあやの器用な舌が入り込み、ぽってりとした煉獄の舌が捕まった。唾液ごとじゅっと吸われると腰が疼き、集まってきた欲を解放するべく無意識に腰が浮く。快楽を求めて奥へ奥へと突き上げ始める。
ふと気が付くとあやの掌は煉獄の脇腹に当てられており、徐々に肩やアバラの痛みの感覚が無くなってきて体も少しずつ動かせるようになっていた。
腰を掴んで何度も奥を突いていると、あやの方も耐えられなくなってきたようで、口吸いを辞めて吐息が荒くなる。伏せた瞼となだらかな弓型の眉にぐっと力が入って、少し開かれたと思うと涙に濡れた瞳が煉獄の瞳を捕らえる。その瞬間に何かに撃たれた様に頭の奥と腰に衝撃が走る。頭の中が一気に白く塗りつぶされて、精がせり上がって来るのが分かった。慌てて抜こうと腰を引いたが、それを追いかける様にあやは腰を落とし、ぴたと恥骨同士が付いた瞬間にまた奥で弾けた。
煉獄に覆いかぶさったままあやは、はっはっはっと肩で息をしている。煉獄はあやの背中を撫でて体を離そうとした。あやは顔を上げて煉獄を見つめるとふるふると首を横に振る。
「あや、まだ欲しいのか?」
あやはこくりと頷くと、また少し腰を浮かせて動かそうとした。しかし、太腿は小刻みに震えており、足に思うように力が入らないのかすぐにぺたりと座ってしまう。眉尻を下げて困った様な顔をしたあやの頬を煉獄は掌で包んだ。
「腰が砕けたか?無理をせずとももう終いにしよう。」
あやは目に涙を溜めてふるふるとまた首を横に振った。煉獄は優しく頬を撫でながら微笑む。
「欲しいのか?」
あやはこくりと頷く。
「子種でややが作りたいのか?」
あやは違うと言う様に目を閉じて大きく首を横に振る。
「精が必要なのか?」
あやはこくりと頷いた。煉獄は小さく息を吐くと「分かった」と呟き、あやの背中を抱えて肘を立て、上体を起こした。痛みの感覚が完全に麻痺したのかさっきまで動くと唸るように痛かったわき腹も、肩も、いつもと同じ様に痛みを感じることなく動かすことができた。