第24章 ※陽炎【煉獄杏寿郎】2完
あやは少し体を起こして煉獄に覆いかぶさり、瞳を見つめながら顔を近づけてきた。
障子から月明かりが透けてあやの顔を照らす。ぼんやりと輝く白い肌と、吸い込まれるような夜空の色の瞳。煉獄があぁ綺麗だと思っているうちに唇が重なり、少し開いた唇の間からあやの舌が入ってきた。薄くて熱い舌が煉獄の舌を探し出して絡まってくる。
甘い唾液が煉獄の口の中に広がる。あやの舌が動く度に頭の奥がぐずぐずと溶けていくような感覚になり、さらに頭はぼおっとした。そしてその溶けて籠った熱は体の中心にじわじわと溜まっていく。
あやの唇が離れた。しゅっと帯を解く音が二回聞こえた。あやの帯と煉獄の浴衣の帯だ。二人とも浴衣の前だけ開いて胸や腹が露になる。あやは上半身を折り曲げる様にして煉獄の身体の上に自分の身体を重ねる。素肌と素肌が触れ合って二人の温もりが交ざっていく。
あやが少し体を上にずらすと、煉獄の頬に柔らかいものが触れた。唇にはその柔らかい膨らみの頂点にある小さな尖りが当たっている。煉獄はその尖りをそのまま口に含むと舌先で転がして少し強めに吸う。はっと息を詰める音が聞こえた。
あやは煉獄の頭を抱える様にまた胸の膨らみを押し付ける。煉獄はあやの背中に腕を回し、滑らかな手触りを楽しむ。もう一方の腕は折り曲げて頬に押し当てられているあやの柔らかなふくらみを揉み、指に当たる突起を指先で弾いて抓む。あやの口からはっ、はっ、と甘さを帯びた吐息が漏れた。
煉獄の意識は少しずつ明瞭になってきていたが、あやの動きに抗うことはできず、ただ与えられた甘美な誘惑に身を委ねて吸い付くような肌を貪った。