第22章 ※炎虎 【煉獄杏寿郎】5 完
「・・・だとしても、ヤクザでなくても良かったんじゃないの?」
「では、君たち刑事に何ができた?核心に迫ることができたのか?回りくどく嗅ぎまわっただけだ。法に基づいて真正面から動いて何か鬼舞辻組にダメージを与えられたか?」
「・・・・・。」
「・・・意地悪な言い方だったな。すまない。君たちにしかできないこともあるのは分かっているんだ。俺たちの目的は一緒なんだ。・・・俺は毒には毒を持って制するやり方を選んだだけだ。」
「・・・杏寿郎さん、若頭の堂磨は鬼舞辻と繋がってる。産屋敷が亡くなると堂磨が産屋敷組の跡目を継ぐんでしょ?私を攫ったのも、あなた達の部下を殺す命令を出したのも堂磨よ。」
「分かっているさ。俺達は堂磨の身勝手な行動に耐えてずっと泳がせて証拠を集めていた。弾劾するにはそれ相応の物が必要だからな。それに気付いた堂磨は、俺たちが痺れを切らして攻撃してくる様にあの手この手で挑発してきた。返り討ちの名目が欲しくて。俺たちが用意周到に力を蓄えているのが怖いらしく早く潰したくて焦っている・・・・。」
「今かなり良い状況に持ち込めているんだ。良い新人も入ったし、頼もしい仲間も増えてきている。組長の命が尽きる頃には鬼舞辻組を一気に叩きに行けそうだ。」
ここまで話すと、杏寿郎は指を動かして私の手を包み込んで微笑む。
「・・・・と言う話を細かく詰める予定だったんだ。今日の夜の食事会で。」
「君のお陰で俺の面目は丸つぶれだ。」
「・・・・。」