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桃紅柳緑【鬼滅の刃】【R18短編集】  

第22章 ※炎虎 【煉獄杏寿郎】5 完



私は杏寿郎の自宅に住むようになってからも、警備会社に仕事に行かせて貰えていた。
『仕事の時以外は外出せずに自宅待機で自由な時間が無くて申し訳ない。送り迎えをさせてくれるなら気晴らしにもなるだろうから続けるといい。』と。

杏寿郎のお付きの高橋はとても頭の切れる男だった。大胆不敵な杏寿郎に緻密な高橋で意外と隙が無い。
時間がかかったがなんとか杏寿郎の自宅の応接間と杏寿郎の鞄に盗聴器を付けることができた。
盗聴したことで産屋敷組はやはりクスリの取り扱いは禁止していたことが分かった。高橋に尾行を付けたら、クスリの受け渡しに関わっている人物の情報を集めていた様だ。クスリの対策は鬼舞辻組系だけに絞ることができる。さらに組の中の力関係も分かってきた。

そろそろ私の潜入捜査も終わりが近づいている。
殉職してしまった同僚が最後に鬼舞辻組に仕掛けた盗聴器がまだ発見されていないので、そこから分かったことがある。一つ私がやるべき仕事ができた。それをうまく収めることができたらこの任務は終わりだ。
次の私の任務は10年前に家族を殺した鬼舞辻組を追い詰めること。

最初は仕事で近づいたが、私は杏寿郎の事をすっかり愛してしまったので、それについても後藤によく相談をしていた。プロポーズされたことも知っている。
同僚も殉職し、私もヤクザと恋愛関係になってしまったので、潜入捜査の作戦はもう今後しないそうだ。得た情報はそれなりに有益だったが、代償は大きかった。


杏寿郎は今日の夜、食事会がある。産屋敷組の若頭補佐が三人集まって今後の事を話す。という名目で集まるが、どうやら産屋敷組長の奥様のあまねさんが来て遺言を伝えるらしい。若頭の堂磨が今回は入ってい。なので、あまねさんが来ることは極秘だ。産屋敷組長はもって半年ほどらしいということだ。

後藤から昨日警視庁のサーバーに勝手に入り込んだ人がいると聞いた。登録されている警察官についてのページを閲覧したそうだ。おそらく高橋か杏寿郎だ。昨日の杏寿郎はいつも通りだったので高橋だろう。今日会社に来てからは、後藤と一緒に杏寿郎の鞄に仕掛けた盗聴器の内容を聞いている。

・・・どうやら私は杏寿郎に殺されそうだ。
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