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桃紅柳緑【鬼滅の刃】【R18短編集】  

第3章 燎原之火 【煉獄杏寿郎】1


他にも少しだけ買い足し、あやのマンションへ行った。駅からは少し遠く、大きくはない建物だが、入り口はオートロックだった。
荷物を玄関先に置いていると、「どうぞ。」と中に招き入れてくれた。

「ここで帰るぜ。」

宇髄が言うが、あやが少し悲しそうな顔で、

「せめてお礼にお茶を入れさせてください。」

と言うので、俺たちは少し上がらせてもらうことにした。


「おぉ。あまーい香りの紅茶だな。イチゴか?」

「宇髄先生、正解。この前買っていい香りだったから、誰かと一緒に飲みたかったんです。」

良かったーと言いながら、あやは嬉しそうに紅茶を飲む。

「紫天城、可愛いらしーことすんなー。・・お前、一人暮らしだからって、そんな感じであんまり彼氏とか連れ込むんじゃねーぞ。」

「心配してくれてありがとうございます。でも、大丈夫だよ。彼氏いない。」

と微笑みながら宇髄に答え、チラっと俺を見てキッチンの方へ行く。

「はい、先生達。アイスをどーぞ。」

「煉獄せんせいはお芋味。宇髄先生は・・、大人の味のラムレーズン?」

と、あやは俺たちの手にアイスとスプーンを乗せ、自分もさつまいもアイスを食べ始める。

「いいセンスしてんな。」

「ふふふ。そうでしょう?」

アイスを食べ終わると、俺と宇髄は目を合わせて席を立つ。

「じゃあ。帰るぜ。戸締りちゃんとしろよ。あ、後で煉獄先生の番号送っとくから登録しとけよ。」

「はい。宇髄先生。色々と有難うございます。」

と深々と頭を下げる。

「煉獄せんせい・・・。ありがとうございました。」

と俺と目を合わせると一瞬悲しそうな顔をしてから、また、ふわりと微笑んで頭を下げる。あぁ。ご馳走様。また月曜に学校で。と返して部屋を後にした。
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