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桃紅柳緑【鬼滅の刃】【R18短編集】  

第3章 燎原之火 【煉獄杏寿郎】1



人懐こい笑顔でふわりと頭を下げる。

「すれ違う人達がモデルがいるって騒いでて、見たら先生たちだった。」
「お買い物ですか?」と首を傾げて問う。

「いんや。卒業生の個展を見に行ってた。・・・お前、すげぇ荷物だな。」

「はい。引っ越ししたんです。要るもの買ってたら両手の限界を超えてました。」

また、ふわりふわりと笑いながら宇髄と話し、ふと俺の方を見る。

「煉獄せんせい。スーツとジャージ以外の服、初めて見た。何着ても恰好いいね。」

「さすがの俺も、休日にスーツは着ないからな。」

「いいもの見ちゃった。じゃあ。また、先生達。」

紫天城がまたふわりと笑って、立ち去ろうとしたのを宇髄が止める。

「紫天城。荷物持ってやるよ。家どこだ?」

「え?いいよいいよ。忙しい先生達の貴重なお休みでしょ?悪いよ。」

「子どもがエンリョすんなって。家庭訪問だ。何かあった時には担任の煉獄先生が行かなきゃなんねーだろ?」

宇髄がちらりとこちらを見て「な?」と目で合図を送る。

「・・・あぁ。ほかにも買うものがあれば、ついでに買うと良い。力はあるからな、いくらでも持とう。」

「・・・ごめんなさい。」
眉尻を下げ、申し訳なさそうな顔で紫天城が言う。

「担任の先生達が好きでやってんだから謝るなよ。ありがとうって言っときゃいいんだよ。」

「宇髄先生、煉獄先生。ありがとうございます。」
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