第20章 ※炎虎 【煉獄杏寿郎】3
俺は目が覚めて隣にあやがいないことに落胆していた。
昨日の様子だと、少なからず俺に対しての愛情があやにもあると感じていたのだが、恐怖心で従っていただけでそうではなかったのかもしれない。
俺はかなり興奮していたからあやの気持ちを見落としたのかも。
いや、やりすぎてしまったか・・・。
あの子は昨日初めてイクことを知ったような経験の少ない子だったのに・・・。声が枯れて、終わってすぐに眠りに落ちてしまう程のセックスをするんじゃなかった。
そんな、いつも定時に帰っている様な警備会社のOLが、休日の朝早くに呼び出されてどんな仕事があるんだ。体もだるいはずなのに。
・・・何度見てもスマホにメッセージも来ていない。
俺はとりあえず事務所に戻った。最悪な顔をしていたと思う。
高橋が俺を見てまた呆れた顔をしている。かける言葉も無いんだろう。それについては何も聞いてこなかった。
「・・・・おはようございます杏寿郎さん。」
「・・・朝ご飯、買ってきましょうか?」
「いや、いい。」
「・・・じゃあ、ちょっとまずいことが二つ起きています。報告いいですか?」
俺と高橋はパチと目を合わせる。空気が変わる。
「どうした?」
「一つ目は産屋敷組長の体調が悪化しています。」
「・・・・そうか。」
「もう一つは、今度はうちの若い子と冨岡さんの所の若い子が殺されました。接点は無いはずですが一緒に死んでいます。そして、この前水拷問で吐かせた奴も一緒に死んでいました。」
「・・・・・そうか。」
「もう少し詳しい状況を確認しておきます。」
「あぁ」