第20章 ※炎虎 【煉獄杏寿郎】3
ポコン
スマホが鳴った。
「杏寿郎さん、今朝はごめんなさい。今職場にいます。仕事が落ち着くまで、お店はしばらく休みます。今朝の事を謝りたいからもしよかったら近いうちに会える?」とあやからメッセージが来ていた。
あやはまだ俺に会う気がある様で少しホッとした。少しだけ意地悪な気分になって「今すぐ会いたい。」と返す。
既読になって少しだけ時間が空いて、「分かった。どこに行けばいい?」と返って来た。
あやの職場まで迎えに行きたいと伝えると、「わかった」と職場のURLが送られてきた。
勿論とうの昔に知っているのだが。
「30分後に」と送り、顔を上げると高橋と目が合う。
「お出かけですか?」
「あぁ。俺のあの子に今朝俺を置いてけぼりにした件の報告を聞きに行く。」
「・・・・杏寿郎さんがやりすぎたんですよ。」
「分かってる。・・・これでも反省している。」
「お気を付けて。なんか色々なところでおかしな動きがあります。」
「・・・あぁ。それも分かってる。」
約束の30分後、あやの職場に着く。真正面に白いバンと他に数台の車が停まっていたので入り口から数メートル離れた所に車を停めた。あやが入り口からスーツ姿で出て来たのが見えた。車から降りようとした瞬間・・・・
あやに二人の男が近寄った。一人が後ろからあやの口を塞ぎ、もう一人が足元を掬って停めてあった白いバンに乗せた。ほんの数秒の出来事だった。