第20章 ※炎虎 【煉獄杏寿郎】3
「あや、俺を見てくれ。一緒にいこう。」
そう言いながら、ぐ・・ぐ・・・・・。と腰を押し込む。私は縋るような瞳で杏寿郎を見る。下唇を噛む。杏寿郎が片方の口角を上げて「次だぞ。」と微笑む。
唇を噛んだ口を親指で少し乱暴に開けられると、舌を入れて口づけをされた。次の瞬間ぐりっとまた奥に押し込まれる。
「―――ッ――ッ!!!んんんん!!」と声にならない声を上げながら体が強張り、息を止めて杏寿郎の首筋にしがみ付く。体が勝手にピクンピクンと動き、体の奥を締め付ける。そしてそこからも快楽を拾う。
「ん・・」と杏寿郎も息を詰め、中のペニスが一瞬膨らんで、痙攣する。杏寿郎は「ふーーー」と息を吐きながら私の上に体を預ける。汗ばんだ肌が密着する。
私が、「はーっ・・はーっ・・」と呼吸を再開させるとバクッバクッバクッと心臓が弾けそうな程大きく鳴った。必死で息を吸って身体中に酸素を取り込んで視線を横に向けると杏寿郎が少し体を起こして顔を覗き込んでいた。「可愛いな」と顔中にキスの雨を降らせてくる。
・・・何だこれは?こんなのは知らない。
力が入りにくくなった腕を何とか動かし、杏寿郎の背中を抱きしめる。「杏寿郎さん・・すごい。」と掠れる声で杏寿郎の耳元に囁く。
「ふ・・ふ・・ふ」と杏寿郎は笑いながら「もう一回という解釈で間違いないか?」と聞いてくる。私は驚いて慌てながら「も・・無理」とブンブンと首を左右に振った。「わかった。」と優しく唇を重ねてくる杏寿郎の笑顔に何故か涙が出てきた。私が微笑み返すと杏寿郎は指先でそっと涙を拭いてくれた。後ろ頭と腰に腕を回して「君を愛してもいいのか。」と少し切ない声で問い、大切なものを抱える様に抱きしめてくれる。
私は「覚悟はできました。」と回した腕に力を込めながら答え、杏寿郎の肩の炎にキスをする。